アフリカに恋して（3/3）

南アフリカに行ったなら、やはりサファリにトライしてみなくては！トラベル業界では、サファリのことを、「ゲーム」ともいいます。かつて、イギリス人たちが、ジープに乗って動物たちをゲームとしてハンティングしていた時代があるのですが、この名残でサファリのことを「ゲーム」と呼ぶのです。そして、このゲームを楽しむために作られたハンティングロッジを「ゲームロッジ」、ハンティングするエリアを「ゲームフィールド」、こういたもの全体を総称して「ゲームリザーブ」といいます。現在、南アフリカでは、ほとんどのエリアでハンティングは禁止。現在は、銃をカメラに持ち替えて、動物たちの写真を撮ることが今のハンティングゲーム。いろいろな野生動物、花、鳥、を追い求めて、フィールドをひた走ります。



南アフリカで、もっとも人気のゲームリザーブは、ヨハネスブルグから、セスナ機で１時間弱の距離にある「クルーガー国立公園」と「サビサンド私営動物保護区」。国立公園と私営動物保護区は、土地の所有管理形態が違います。国立公園は、広大な土地を国が管理し、厳しい評価基準をクリアした、いくつかのゲーム運営会社のゲームロッジのみが、設営を許されます。高度な教育を受けたレンジャー同行の下、ゲームドライブが楽しめます。もちろん国立公園ですので、入場料を払えば、だれでも立ち入れますが、ゲームロッジにステイしていないと閉門時間には公園を出なければならなかったり、決められた道路以外は走れなかったりと、いろいろな制限が設けられます。このクルーガーの広大なフィールドを満喫するならゲームロッジにステイするべきでしょう。



私営動物保護区は、基本的にその土地を個人もしくは企業が所有し、保護区として運営しています。ですから、その土地の所有者以外の人間は立ち入れません。こういったエリアのことを、「プライベートゲームリザーブ」といいます。プライベートゲームリザーブがなぜよいかというと、フィールド内は、そのロッジ以外の車が走れないので、車の数が圧倒的に少ないのです。ケニアやタンザニアのゲームフィールドの殆どは、国立公園になっています。国立公園は公共のものなので、近隣の格安ゲームリザーブの車も高級ゲームリザーブの車もごちゃまぜになり、結果、沢山の車がフィールドを走ることになってしまうのです。これではまるで、サファリパーク。せっかくのゲームドライブ、アフリカの広大な空の下、大自然にとけ込む経験をしたいなら、できる限り雑音は排除したいものです。



ゲームリザーブの宿泊料金には、滞在中のすべてのコストが含まれていることが殆どです。３度の食事や飲み物、朝と夕方のゲームドライブ、滞在中のクリーニングなどの特別なことを依頼しなければ、滞在中にお金を使うことはありません。特に素敵なのがゲームドライブ中にレンジャーが安全なポイントを探しテーブルをセットして大自然のど真ん中で朝食を作ってくれたり、サンセットカクテルでもてなしてくれたり。本当に夢のような時間。ゲームリザーブは、動物を観ることだけではなく、大自然の中で、極上のもてなしと極上の食事、極上のワインを楽しむというとてもとても贅沢な時間なのです。そして、絶景のポジションに造られたゲームロッジでくつろぐ。これが、世界のラグジュアリートラベラーを魅了する要因なのです。



私が最もおすすめするゲームリザーブは、「シンギタ　ゲームリザーブ」です。
南アフリカには、シンギタの４つのロッジがあります。それぞれ、フィールドも建築デザインも異なりますが、クルーガー国立公園なら「シンギタ　レボンボロッジ」、サビサンドなら「シンギタ　ボルダーズロッジ」がおすすめ。シンギタは、レンジャーの知識やクオリティ、ホスピタリティ、料理、お部屋のファシリティ、どれをとっても非の打ち所がないゲームリザーブ。食事がおいしいのは、旅の満足度を何倍にもしてくれます。





もちろん予算あっての旅でもありますが、弊社ではあまりランクの低いゲームリザーブはおすすめしていません。なぜなら、値段に比例してロッジや車の質が下がることはもちろんですが、ゲームフィールドが異常に狭かったり、コンディションが悪かったり、何よりも優秀なレンジャーと出会うことはまず不可能であるということが大きな要因です。優秀なレンジャーは動物の生体を理解し、状況を分析して動物たちを探しあててくれますし、知識も豊富なので下手な図鑑を観るよりも本当に勉強になるものです。優秀なレンジャーとともに、ゲームを楽しむ。これはとても大切なことなのです。



アフリカは、未体験なネタの宝庫。まだまだお伝えしたいことが沢山ありますが、文面にも限りがあります。続きはまたの機会に・・。もし、少しでもアフリカに興味を持ったなら、ぜひ旅立ってみてください。新たなひらめきときらめきに溢れること間違いありません。