レザーグッズブランド「スロウ」が鎌倉に登場

来年でブランド設立10周年目を迎えるスロウが、その新しいチャプターの場に選んだのが鎌倉由比ケ浜。カフェと工房を併設したそこにはゆっくりと刻まれる豊かな時間と職人の高い技術が光るレザーグッズとの出会いがありました。

鎌倉由比ケ浜大通りを横断する江ノ電の線路からすぐのところに佇む、9月にオープンしたばかりの「スロウ 鎌倉店」。神奈川県内での出店が初となるスロウが、なぜこの地を選んだかお話を伺いました。

「SLOW（スロウ）というブランドネームからも分かるように、移り変わりの激しい時代に流されずゆっくりと創作を追及していきたいという私達のモノ創りのスタンスが、この鎌倉の空気感にとても合っていると感じ、10周年目を迎えるにあたってこの場所を選びました。工房が併設の店舗はありますが、カフェの併設は初の試みです。ショッピングだけでなく、カフェが入り口となり、多くの人に存在を知っていただき、ゆっくりとここで過す時間を味わってほしいという思いを込めています。」

Woodberry Coffee Roastersに焙煎をお願いしているというこだわりのコーヒーは、深煎りの香ばしさの中にも優しさと甘みが感じられます。メニューにはコーヒー以外にも、季節のスムージーに野菜たっぷりのサンドイッチまで、散策途中やショッピング後の「ちょっと一息」にぴったりなラインナップ。オープンしたてにもかかわらず、毎日のように通ってくれる地元の方も多いのだそう。

二階のショップスペースは、開発室兼工房が併設となっていて、店内に心地良くミシンの音が響きます。ここに常在する職人さんの手によって作られる製品の一つが、ここ鎌倉店限定のカスタムトートバッグ。アメリカの学生がランチ入れに使う「ブラウンバッグ」をインスピレーションに生まれたトートバッグは、手提げ部分をしまって口の部分を織り込むと、クラッチバッグのように使えるバーサタイルな名品。帆布とレザーの二種類があるが、どちらもステンシルの色と文字のカスタムが可能で、イニシャルを入れてプレゼントされる方も多いのだそう。サイズ展開も豊富なので、ライフスタイルに合わせて選べるのが嬉しい。

使い込むほどに新しい表情を見せてくれるのが革製品の魅力のひとつ。写真にある二つの長財布、実は全くの同製品。イタリアンレザーを贅沢に使用したこちらのロングウォレットは、３年間の内に鮮やかなグリーンから、深みと落ち着きのあるオリーブがかったグリーンへと変化。スロウのオリジナルお手入れセットで丁寧にケアされ、美しい光沢も生まれています。

11月末からは工房スペースでレザー製品を作るワークショップの開催も始まるスロウ鎌倉店。使い込むほど味が出てくるレザーのように、通うほどに魅力を増していくタイムレスな場所となりそう。

ワークショップのお問い合わせはスロウ 鎌倉店まで。

文・写真/ Keito Hirakawa