映画『天のしずく 辰巳芳子”いのちのスープ“』、12月7日(金)まで

鎌倉きっての論客、辰巳芳子さんのドキュメンタリー映画の上映が、残すところ1週間となった。
本作は、御年87歳の辰巳さんに密着した貴重な記録映画。
震災直後、2011年4月におこなわれたスープの会(鎌倉・浄妙寺の自邸で定期的におこなう料理教室)を皮切りに、映画は、スープの食材を作る全国の生産者、大豆100粒運動をおこなう小学校など、辰巳さんの教えを守る人たちの元へ舞台を移しながら、ゆっくりと進行する。
そんな中、瀬戸内海から1通の手紙が舞い込んでくる…。

見どころは、料理のシーン。スープはもちろん、折に触れて著作の中に登場する
「檜舞台にふさわしい」白和え、「心臓焼き」、「梅仕事」。
また、あまり語られない戦死した夫について、愛と慈悲をもって悲しみを乗り越えるのに
50年間かかったというエピソードに胸打たれる。

鎌倉ならではの谷戸という地形を生かした浄妙寺の辰巳邸、
父上を看病するために通った聖サレジオ病院から鎌倉高校前へ下る坂道など、
地元の人にとっては馴染み深い景色が登場する。

気鋭のドキュメンタリー映画監督、河邑厚徳が構想から4年以上をかけた渾身の力作。
生きるとは、愛するとは、という問いに対する一つの答えは、思いのほかすんなり
心にストンと落ちてくる。豊かな自然の情景に、耳に残るメロディーを重ね、
草笛光子の味わい深い朗読がそれに寄り添う。


『天のしずく 辰巳芳子“いのちのスープ”』
2012年12月7日(金)まで109シネマズ湘南ほか 全国劇場ロードショー
出演:辰巳芳子 ナレーション:谷原章介 朗読:草笛光子 監督・脚本:河邑厚徳
公式サイト:http://tennoshizuku.com/

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