「フィンランドデザインの良心」。カイ・フランクの大規模個展開催

日本とフィンランドの国交樹立100年とフランクの没後30年を記念し、「フィンランドデザインの良心」として知られるカイ・フランク(1911-89)の日本初となる大規模個展が、神奈川県立近代美術館葉山で開催されます。

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1960年代半ば/カラー・リング・テクニック/ヌータヤルヴィ・ガラス製作所/タウノ&リーサ・タルナ・コレクション photo by ©Rauno Träskelin 

カイ・フランクは、フィンランドの文化や工芸品をベースにデザインを手がけ20世紀デザインにおいて多くの革新をもたらしたと言われています。フランクは、ヘルシンキで家具デザインを学んだのち、45年にアラビア社のアートディレクター、その後イッタラ社でガラスデザインに携わり多くの名作を生み出しました。

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ソルト・シェイカー 1959年/ファイアンス焼き/アラビア製陶所/タウノ&リーサ・タルナ・コレクション photo by ©Rauno Träskelin

日本初の個展となる本展では、幾何学的造形に着目した国際巡回展となっています。2018年にフィンランド・ガラス博物館で開催された展覧会をもとに構成し、同館の収蔵品と、カイ・フランクと親交の深かったデザイナーであるタウノ・タルナ氏のコレクションからなる約300点を展示し代表作が紹介されます。

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《2190》調味料入れセット&チーク製トレイ 1953?63年/吹きガラス/ヌータヤルヴィ・ガラス製作所/タウノ&リーサ・タルナ・コレクション photo by ©Rauno Träskelin

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〈ポカーリ[トロフィー]〉ゴブレット 1970年代/吹きガラス/ヌータヤルヴィ・ガラス製作所/タウノ&リーサ・タルナ・コレクション photo by ©Rauno Träskelin 

また、カイ・フランクは幼少期から日本に特別な関心を持っていたといいます。1956年の来日の際は日本の様々な手仕事や意匠に注目したといいます。カイ・フランク自身が撮影した写真なども紹介し、日本を愛してやまなかった偉大なフィンランドのデザイナーの足跡をたどります。

カイ・フランク KAJ FRANCK GEOMETRY

Date : 9月21日(土)- 12月25日(水)
Place : 神奈川県立近代美術館 葉山 展示室2・3
Hours : 9:30 5:00pm(入館は午後4時30分まで)
Holiday : 月曜日(9月23日、 10月14日、11月4日は開館)
Entry Charge : 一般1,200(1,100)yen/20歳未満・学生1,050(950)yen/65歳以上600yen/高校生100yen
*( )内は20名以上の団体料金です。中学生以下と障害者手帳等をお持ちの方(および介助者原則1名)は無料です。
*「カイ・フランク」展をご覧の方は、同展の観覧券で同日に限りコレクション展「音をみる、色をきく 美術が奏でる音楽」もご覧いただけます。
*無料開館日:11月3日(日・祝)「文化の日」は、開催中の展覧会を無料でご覧いただけます。
*ファミリー・コミュニケーションの日(毎月第1日曜日:10月6日、11月3日、12月1日)は、18歳未満のお子様連れのご家族は割引料金(65歳以上の方を除く) でご覧いただけます。
また同日は、会話を楽しむ日「オープン・コミュニケーション・デー」となりますので、小さなお子様連れの方も遠慮なくご覧ください。

同時開催コレクション展 音をみる、色をきく 美術が奏でる音楽

音は目には見えませんが、美術作品には音を視覚的に表現したものがあります。絵の中の人物が楽器を演奏したり、楽譜や音楽記号をモチーフにしたものや、楽曲のようなタイトルがついた作品もあります。自然を描いた作品からは雨や風の音が、街を描いた作品からはざわめきが聞こえてくるようです。絵の中の色と形の響きあいは、音楽のハーモニーやリズムにも似た感覚を私たちに届けてくれます。

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朝井閑右衛門《丘の上》1936年 油絵具、カンヴァス 神奈川県立近代美術館蔵
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