湘南　和のある暮らし

鎌倉に住まう人々に鎌倉彫のお店について伺うと必ずといってもいいほど名のあがる鎌倉彫の老舗、博古堂。鶴岡八幡宮前に店を構える。450年前からの仏師として技術が博古堂の鎌倉彫には伝えられている。重厚さのなかに存在する洗練された気品が博古堂の作品にみられる。

鎌倉彫共同組合が運営しているお店で、様々な作家の作品を一同にみることができる。大きな皿から箸などの小物も置かれていて手ごろなお値段のものもある。時には所属している作家自身が店頭に立ちお客様の生の声を作品に反映させることもある。

夏に活躍する和のアイテム、竹細工。野草を活けてみるだけで空間が随分とかわるもの。

竹の美しさ、使いやすさを伝えていきたいと鎌倉で竹細工の工房を始めて30数年経った岡本さん。店内には様々な作品が置かれている。ひとつひとつ作品を眺めていくとユニークな名前がつけられているのに気付く。竹のはしごのような花器には、「月への架け橋」と名付けられている。エリック・カールという絵本作家の作品のなかにでてくる月へと渡すはしごに似ているところからその名前がつけられたそうだ。また、くるみの皮で作られたスカーレットという花器がある。由来を伺うと風と共に去りぬのなかでヴィヴィアン・リー演ずるスカーレット・オハラが付けていたコルセットに似ているからという。絵本の世界から映画までとても発想が自由だ。玄関に絵を飾る代わりにぜひ花を飾って頂きたい思いから花たちが引き立ち心がなごむようなものを作り続けられている。