セヴァン・スズキさん@ SHOKU-YABO農園

セヴァン・スズキさん”Love is the Movement” FES & MARKET @ SHOKU-YABO農園

チラシ

今年の2月は、ソーヤー海さん、セヴァン・スズキさん、と世界的に活躍している環境活動家の方たちが、
奇しくも続けて三浦半島を訪れてくださいました。
ソーヤー海さんの『アーバン・パーマ・カルチャー』の鎌倉でのWSのご報告は3月にしましたが、
今回はセヴァン・スズキさんの<”Love is the Movement” FES & MARKET @ SHOKU-YABO農園
(ナマケモノ倶楽部主催)のレポートです。

セヴァン・スズキさん、名前をご存知の方も多いでしょう。
セヴァンさんは日系カナダ人4世の環境・文化活動家。
12歳のとき、ブラジルで開催された「地球サミット」にECOの仲間たちと旅費を集めて参加。
最終日に本会議で行った6分間のスピーチが世界中に感銘を与え、一躍環境運動の象徴的存在となりました。
そのときの映像はこちらです。
そのセヴァンさんが、いまでは二人の子供を持つお母さんとして、来日、各地でさまざまな催しがありましたが、
この日はセヴァンさんの一連の講演活動のなかでも、唯一、野外でのフェス・イベントでした。
忙しいスケジュールで全国を縦断していたセヴァンさんも、当日はご主人や息子さんたちもご一緒に、
休日的な、楽しい一日を過ごしてくださったようです。

とはいえ、前々日まで大雪。出店者も、ワークショップ陣も、車ではなく、歩きで会場に行くことが直前に決まりました。
皆、持てるだけ、最小限の荷で、歩いて山の入り口にある、会場のショクヤボ農園にたどりつきました。
期せずして、ノーカー・デイ。みんなが徒歩で。本来的なギャザリングがそこにはあり、
それだけで、皆なにかワクワク心躍るのでした。
以下当日のレポートです。

風景

ミラクルな雪の一日でした。
当日は大雪も止み、一面銀世界のキラキラのピーカン!
一年でも一度あるかどうか、というほどの澄みきった空気で、
いつもは見えない対岸の箱根や伊豆半島の山々の細かい襞までがクッキリと浮かび上がっています。
前日でも翌日でも、あの美しい景色はなかったでしょう。

私はこの日、セヴァン・スズキさんと一緒に会場の森のなかで参加者と一緒に植物との遊びをすることになっていました。
お話をいただいた時には、なんてステキ、と、なにをやろうか、さんざん考えました。
現地の植物での草染めも考えましたが、参加希望者が多い場合には、染めはむずかしく、
たとえ全員参加でもできるWSをと、何日も悩んで考え、ナイス・アイデアをいくつか用意していたのです。

でも前々日の記録的な大雪のため、それらはすべて白紙に。。

いったい何ができるだろう??
それは当日行ってみて決めることにしました。

WSの場所は、農園のなかのご神木と言える大きなクスノキの下で、と決めていました。
森の中での、自然からのギフトでのアートワーク、
どうなるかな。

でもそこに着いた時に、すぐに決まりました。
その時そこに在るものがテーマの、完全に自然条件のなかでのWS。
これは雪をキャンバスに見立ててやりなさいってことなんだ、と急きょ、雪が素材になりました。
それと、この雪で折れてしまったたくさんの枝と、そこについている葉っぱ。
それらだけを使ったインスタレーション。
道具は自分たちの手だけで。

結局この天候のために足場も悪く、セヴァンさんとのWSにはならなかったのですが、
森の中にはこんなものが出現していました。

根っこ
葉ねっこ

そこは、ここの森の守り神、楠の大木の神域のような清浄なスポットで、風からも守られ、とても心地よい場でした。
わたしたちはあまりの楽しさに夢中になり、逆に下のマーケットに行けず・・
ですので、全体でどんな催しが行われていたのか、実は把握できていません。

あさこ

でも当日はステージのミュージシャンも、出店者も、WSのアーティストも、すべて、地元の住人たち。
あたたかな笑顔を交わしあう、愛に包まれた、雪野原でのシーンがそこここに。

楽し過ぎて夢中でやっていたら、参加者の方が、わたしたちが素材にしている葉っぱは楠の木の葉っぱ、
とおしえてくれました。
根元をその葉っぱのリースで飾り、根っこの形にしたところをその葉で埋め尽くして。
幹を間に、上にも下にも楠の葉っぱ。

はっぱ
photo Kuni Matsumoto

来てくれた人のなかには、楠の木の声が聴ける人もいました。
楠の木はいつもひとりでいるけれど、
その日は朝からほんとうにたくさんの人が自分に向かいあって、
笑いあって、たのしんでいることを、とても喜んで、
その楽しいエネルギーをあたり一帯に、また振りまいてくれていたそうです。
「その創造性を大事にしてください」とも。

ほんとはセヴァンさんと一緒に楠の木と皆で交感、というのをやりたかったのですが、
それはともかく、というくらい,楽しくて楽しくて、
この雪の一日、こんなに素敵でやさしい大きな木と存分に遊ばせてもらうという、
ミラクルな時間を過ごさせてもらえたことに、ただ感謝でした。

セヴァンさん
セヴァンさんも到着!

天候がもたらしてくれた、その時だけの、一瞬の自然界からの贈りものを、
そこにいる人たちとクリエイティブにシェアするって、なんてワクワクなことでしょう!
そしてその気持を木は枝先まで吸い上げて、そこからさらに遠くに伝えてくれてる、なんて。

今回の来日で、セヴァンさんは「Love is the Movement!(愛とは、行動すること!)」のメッセージを持ってきてくださいました。
今回のステキなメッセージをどうぞ読んでみてください。

経済も政治も気候も環境も、大きな困難に直面しているこの時代、
でも何よりも強力なパワーを私たちは持っているのです、それが愛のパワー。
精神を高め、智慧も磨き、内なるエネルギーについて一緒に考えましょう、というメッセージです。

スピーチ
セヴァンさんのスピーチ

次々とおこる理不尽な出来事に、いちいち闘い、抗議し、署名し、、
でも何も変わらない、
であれば、身の周りの日々のことの中から、できることをさっさと変えていこう、
この2年ほど私が思ってきたのと同じことを当日のショクヤボで、セヴァンさんも言われました。
たぶん多くの人がそう思っているのではないでしょうか。
ほんとうにそういう時期を迎えていると思います。

枝
photo Kuni Matsumoto

みんなが車をやめて歩いてたどりついたこの日、本来的なギャザリングの一日だったように思います。
当日の入場者は、この天気にも関わらず、350人という大盛況でした。
この日、セヴァンさんのおおらかな笑顔から伝えられた確信に満ちたメッセージ、
そしてそれを受け止め、そこに集った、たくさんのピースフルで創造的な人々が紡ぎ出した時間は
まさにLove is the Movementだったなあと思いました。

今、住む地域を跨ぎ、国を超えて、こうした動きのうねりは、ますます高まってきています。
深刻な世界情勢ですが、こうした危機に大きな愛と希望と勇気を持って、行動する人々の連帯は
光に満ちています。

セヴァンさん、またお逢いできる日と楽しみにしています。
おおきな愛をありがとう。

セヴァンさんファミリー
ナマケモノ倶楽部webサイトより転載

写真・文 矢谷左知子
*筆者以外の撮影者の名前は写真下に
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