"フェアトレードな暮らしとまちづくり"に学ぶ、エシカルと友産友消

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「日本のGDPのうち、約6割が個人消費で占められているんです」

フェアトレードと聞いて、どんなことをイメージしますか?素晴らしい取り組みだから、できれば自分のライフスタイルにも取り入れたい。けれども、実際どう関わって良いのかわかならい、そんな方も多いのではないでしょうか。

一般社団法人エシカル協会代表でありフリーアナウンサーとしても活躍する末吉里花さんのお話によると、現在日本のGDPの約6割を、個人消費が占めているのだそうです。ということは、私たちの消費行動(何を選び、購入するのか)が変われば、それはやがて大きな変革へとつながるかもしれないのです。
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先日一般社団法人化された、末吉さんが代表を務める「一般社団法人エシカル協会」では、“環境に優しく、人が幸せを構築できる経済システムを波及させること、物を生産する企業やそれを消費する人々にエシカルな考え方を根付かせる”ことを目的としているそうです。このエシカルという概念が広く一般に普及すれば、必然的に社会構造自体がよりサステナブルな方向へ進む、そんな明るい展望を感じずにいられません。
そもそも「エシカル」という言葉には、「倫理的」という意味があります。つまりエシカルな消費というのは、フェアトレードと密接な関係があり、フェアトレード商品を購入することは、エシカル消費なのです。

欧米から広まったこの概念、実はここ日本でも2015年5月消費者庁に「倫理的消費調査委員会」が発足し、いよいよ行政機関とともに盛り上げていくフェーズへと入りました。

一方で、エシカルな消費活動と言われてもなかなかピンと来ない方も多いかもしれません。が、意外にも身近なところで実践ができるだそうです。
・できるだけ地元の商店や市場で買い物をする
・認証マークやラベルを目印に買い物をする
・お店やスーパーに質問やリクエストなどをする

また、すでに多くの企業では、エシカルな視点からの取り組みが実施されているそうです。
・スターバックスでは、現在提供しているコーヒーの9割以上が、人と環境に負荷のないコーヒーの生産と流通を達成しているのだそう。さらには、今年度中に100%を目指すという目標を掲げている。
・イオングループでは、いち消費者からの要望で、2002年よりフェアトレード商品の店頭展開を開始。現在では生産者団体の支援や、フェアトレードショップがオープンしている。
・株主総会など、企業のイベントで配られる贈答品にもフェアトレード商品が増えてきている。

このような情報をヒントに、例えば、コーヒーやチョコレートなどの日々の嗜好品をフェアトレード商品にしたり、贈り物にフェアトレード商品を取り入れるだけでも、何かしら変化を感じられるかもしれません。

“エシカルは「おかげさま」と「おたがいさま」が合い言葉”
末吉里花さんブログより

フェアトレードやエシカルを広める上で、末吉さんのこの言葉がとてもしっくりくる気がします。
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フェアトレード≒友産友消

もうひとりの講師である小野寺愛さんは、世界を船で旅しながら国際交流をするという、NGO「ピースボート」で働きながら、逗子で3人の子育てをするママでもあります。すでに暮らしの中にフェアトレードやエシカルな活動が自然と入り込んでいて、エコでソーシャルなライフスタイルを実践されています。

小野寺さんはこうおっしゃいます。

「フェアトレードって良いと思うけれど、実際のところ高いよね?とか、オーガニックって身体に良いと思うけれど、ちょっと贅沢よね?と感じている人はたくさんいると思います。私が実践している、季節ごとに地域の人たちや友だちと手作りする保存食だったり、お互いさまのやり取りや、ちょっとしたお裾分け、顔の見える作り手から買うこと、それらはフェアトレードと同じくらい有意義なことなんです。しかもとっても楽しくて、簡単なんですよ」

そんな素敵な提案をする小野寺さんが、今注目しているキーワードが「友産友消」。
友だちの作ったもの(食べ物、モノ、知恵など)を、友だちとして消費(受け取る)するという、新しい概念なのです。
地産地消という言葉はかなり定着していますが、これからはよりローカルに、より顔の見える関係性が求められる時代になるのかもしれません。

先の言葉にもあるように、小野寺さんの暮らしの中心には、30年くらい前の日本では当たり前だったお裾分け文化があるそうです。夕飯を多めにつくって、近所の子どもたちといただく、自宅の庭で収穫した野菜や果物、たくさん送られてきた食べ物などを近所の人や友人たちにお裾分けする…など。都会の生活では希薄になってしまったご近所同士のコミュニケーションや、ローカルでお金を循環させる地域経済をとても大切にしているそうです。
また、遠くに住む友人、異国で暮らす知人などがつくったものを、友だちであるからこそ感謝して頂く、それはフェアトレードの思想にも通じます。

3児の母でもある小野寺さんの夢は、フェアトレードネイティブを育てること。さらには、友産友消ネイティブを育てることなのだそう。子どもがいるからこそ楽しい、友産友消を中心とした心地よい暮らし。
小野寺さんの暮らしぶりから、すぐにでも実践できそうなヒントをもらいました。

末吉里花さんオフィシャルブログ
小野寺愛さんオフィシャルブログ
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