『星降る町の映画祭』with CINEMA CARAVAN

自然溢れる城ヶ島で至福のひととき

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秋空の美しい9月30日(土)。三浦半島の南端に位置し、風光明媚な地として一年を通して美しい景色を見せてくれる城ヶ島にて『星降る町の映画祭』が開催されました。

総合プロデュースは、毎年ゴールデンウィークに逗子海岸で開催される『逗子海岸映画祭』を手がけているCINEMA CARAVAN

手付かずの自然に囲まれた贅沢な環境のなか、映画と音楽、そして三浦半島の食を堪能できる至福のひとときを、人々はそれぞれのスタイルで過ごしました。その来場者数は、なんと1900名!県内外から大勢の人が城ヶ島を訪れたのです。

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自然が織り成す、一刻一刻と変化する風景

城ヶ島の魅力はなんと言ってもその雄大なる自然。映画祭当日は、午前中少し雲が多かったものの、午後からは美しい秋空へと変わり、夕刻には芸術的なサンセットで来場者に感動を与えてくれました。

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そんな贅沢な環境で観・聴きする映画・音楽は、想像するだけでも素晴らしいのは間違いなく、実際に五感をフル稼働させ、しばし至福の世界へとトリップしてしまいました。

当日はお天気に恵まれたこともあり、早い時間から家族連れやカップル、気の合う仲間同士などが思い思いのスタイルで寛ぎ、シルクスクリーンのWSやトークイベントを楽しんでいました。

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子供達が芝生を駆け回り何とも平和な光景が、映画祭をさらに盛り上げていました。

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幻想的な映像と心に響くメッセージ、そして生の音楽に酔いしれる

一番星が瞬く頃、映画もスタート。

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オープニングはCINEMA CARAVANの代表も務めるフォトグラファー、志津野 雷さんによるCINEMA CARAVANのコンセプトムービー「Play with the Earth」。
世界中を旅する志津野さんが、自身の目で見、全身で感じとったことが、映像としてメッセージと共にスクリーンに映し出されます。様々な土地の持つ魅力や、そこに住む人々の暮らし、そして社会課題。この映画は、旅を重ねることで映像や切り取る風景、そしてメッセージが増え続ける、終ることのないドキュメンタリー・ロードムービー。

スクリーンの傍らでは、この映像に折り重なるように奏でられる生の音楽。志津野さんと想いを分かち合うミュージシャンたちによる、ジャジーでソウルフルなメロディとセッションの持つライブ感が、場をさらに盛り上げます。

信頼する仲間とともに旅を重ねるなかで、志津野さんが何を感じ、何を伝えようとしているのか…。
この地球上で起こるあらゆること、そのすべてが私たちの暮らしのなかに必然として存在し、それは未来永劫循環してゆくものだということをこの映画から感じると同時に、映像と音楽、そして空、風、すべてが一体となり、心にすっと染みわたる。言葉では表わせないほどの感動が押し寄せました。

若手監督たちによるオリジナル作品を上映

今回の映画祭のメインは、これからの日本映画を担うであろう若手監督たち3名による、オリジナル作品の上映。一般的な映画館では上映される機会の少ないオリジナル作品を、この大自然のなかで初上映されます。

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映画がスタートする頃には、会場は溢れんばかりの人。その熱気と期待で、会場はとても心地よい雰囲気となりました。

1作目は、高島優毅監督による『巣鴨救急2030』。今から13年後の近未来を描いた、社会的なメッセージを込めながらも笑いの要素も大きいユニークな映画です。「とにかく面白いとか、楽しいとか感じられて、笑ってもらうことが一番」と話す高島監督。それは恐らく、“笑い”のなかから、新たな発見や気付きが得られることを、監督自身知っているから。実際に、会場は笑いの渦となり、子どもも大人も世代を超えて笑い合える作品でした。

2作目は、林隆行監督の『浅草スマイル』。「この映画を観てくれた人たちが、自分の夢を思い出したり、一歩踏み出すきっかけになれば嬉しい」と話す林監督。お笑い芸人として有名になることを夢見る主人公たちが、その夢を叶えていくプロセスを追いかけます。監督自身もこの映画を通して、責任と大きなやり甲斐を感じたと言います。

ラストを飾るのは、太田信吾監督による『大津city 今恋心』。今回の3名の監督のなかでは、もっとも映画監督歴の長い監督でもあります。この作品は、滋賀の大津市などを舞台としたドキュメンタリー。かつて関西で人気を博したバンドのボーカル、ダンシング義隆さんを主人公とし、その再結成を願う叔父の存在や、大津市の歴史、文化背景など、さまざまな要素が絡み合う作品。「今の時代ではタブーとされることや、誰も見ないようなことを、ちゃんと伝えて行きたい」そう話す太田監督の思いが、観客へもしっかりと伝わったように感じます。

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三浦の「美味しい」も集結!

お楽しみは映画や音楽だけではありません。会場に設けられた“島ごはん”エリアには、三浦半島を中心に活動されている飲食店などがブースを設け、来場者のお腹を満たしてくれました。

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三崎の名物店と言えば「くろば亭」。ここのマグロ丼を食べるために遠方から訪れる方も珍しくないとか。

店頭に並んだかと思うとすぐに売切れてしまう人気店は、城ヶ崎を拠点とするまぐろ問屋「三崎恵水産」が新たにスタートしたプロジェクト「FISH STAND」。当日は、名物の「まぐろ屋さんのごちそうツナ」のほか、コンフィなどのおつまみも販売。

カラフルなドリンクやスイーツがパッと目を引く「三浦半島 食彩ネットワーク」は、湘南エリア・三浦エリアの農家や漁家、飲食店などで構成される団体。“三浦半島のおいしい”を伝えるべく、さまざまな農・水産物、加工品などを紹介、販売しています。

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あっという間に売り切れてしまった「ミサキドーナツ」は、言わずとしれた三崎発のドーナツ屋さん。ひとつひとつ手作りされたドーナツは、どこか懐かしい優しい味わいです。

秋風がひんやりと感じられる時間には列をなしていた「南風COFFEE」。スペシャリティコーヒーを、一杯ずつ丁寧にハンドドリップで提供。

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「野菜のHikarieは」、三浦海岸駅近くの「三浦ミクリナ農園」の直売所カフェ。当日は、ファーマーでもある店主のお眼鏡にかなった野菜や果物をふんだんに使ったスムージーを販売。濃厚でフレッシュな味わいは格別!

さらに、城ヶ島に工房を持つFISH STANDにてAMIGO KITCHENが、三浦半島の旬の食材をテーマに1日限りのスペシャルコースを提供しました。夕暮れ時の三崎港をのぞむ絶好のロケーションにて、三崎マグロのコンフィやほほ肉のステーキ、地野菜、三浦の栗やフルーツをふんだんに使ったお料理とスウィーツ、そして美味しいワインに一同酔いしれました。

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自然と文化、そして人が、美しいほどに融合した今回の『星降る町の映画祭』。日本の映画に触れながら、日本の未来の行く末をぼんやりと、でもポジティブにイメージする、そんなひとときとなりました。

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photo:yumi saito
text:asami tomioka
coordinate:yukie mori
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