大人も、こどももワクワクする絵本「こっぷんとかっぷん」

地元浜松で写真館を営み、映画監督としても活躍する写真家・若木信吾さんが、新進気鋭のクリエイターたちと共に、こどもたちの〈心の芽〉となるような絵本づくりを目指して、昨年絵本の出版レーベル「若芽舎」を立ち上げました。

若木さんが絵本を作ろうと思いたったきっかけは、自身のお子さんが2歳になる頃の自らの経験からだったといいます。絵本の多くは5、6歳以上のもので、ストーリー展開がありアート本のような素敵な本も多く存在しています。一方、1、2歳の子供たちに向けた本のオプションが案外少ないという事に読み聞かせをするうちに気がついたと言います。この年齢のこどもたちにはまだストーリーがあまり理解できず、長い話を楽しむ集中力もまだ備わっていません。こどもたちも、そして読み聞かせをする大人も楽しめる絵本を作りたいと思い、若木さんが何名かのクリエーターたちにお声がけをして、ストーリーのイメージを共有した上で創作が始まりました。

昨年秋から第6弾までリリースしました。4月25日に発売予定の第7弾である「こっぷんとかっぷん」は鎌倉在住のクリエーターの二人によって作られたもの。

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「こっぷんとかっぷん」の文章を担当された鎌倉在住の吉田直子さんは、料理本などを手がける編集・ライターで一児のお母さんでもあります。絵を担当された横山寛多さんは雑誌や新聞などに中心に活躍する絵描きで、地元の子どもたちに向けてお絵描き教室もひらいています。

「こっぷんとかっぷん」のお話は、ガラスでできたコップとカップ。主人公“ぼく”の大切な宝物です。「こっぷんとかっぷん」を通して世界を見ると、いつもとちょっと違う風景が見えてくる。“ぼく”が、テーブルに置かれたトマトやブロッコリーを「こっぷんとかっぷん」でのぞくと……。これは、ファンタジーと現実の区別がないこどもたちの、楽しいことだらけな日常を描いた物語です。

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吉田さんは、ファンタジーと現実の区別のない子どもたちだけが持っている「特別な目」を描きたいと思って、このストーリーを思いついたと言います。

大人も、こどもも楽しめる読んでいてワクワクする絵本が誕生しました。

著者のプロフィールとメッセージ

吉田直子 よしだなおこ

東京都生まれ。東京造形大学デザイン学科を卒業後、雑誌のライターを始める。ライター業の傍らで大学時代の友人と2011年に立ち上げた<シュオ>は、冠婚葬祭で使う小物やジュエリーのブランド。2015年には東京・恵比寿に小さな店も開き、二足のわらじを履いて働く。雑誌『&Premium』(マガジンハウス)では料理連載の記事を担当。鎌倉の料理店<なると屋+典座>のレシピ本『野菜だし』(主婦と生活社)の編集に携わるなど、料理にまつわる仕事も多い。子育て奮闘中の一児の母。

『こっぷんとかっぷん』コメント
「こっぷんとかっぷん」をのぞく主人公の“ぼく”が見ているものは、大人には見ることのできない“ぼく”だけの世界。大人だって、それぞれ見ている景色は違うはずですが、こどもたちには「いま一番見たいもの」が見える。ファンタジーと現実の区別のない、彼らだけが持っている「特別な目」のことを描きたいと思いました。でも、そう思えば思うほど、はじめのうちは大人っぽいアイディアが頭を支配するようになって「どうしたものか」と悩みました。手帳に描いたコップとカップのラフスケッチに目玉を入れた瞬間に、「こっぷんとかっぷん」の物語が動きはじめました。飛び上がるくらいうれしい瞬間でした。

横山寛多 よこやまかんた

鎌倉市生まれ。魚座のA型。多摩美術大学油画科卒。雑誌や新聞(湘南スタイル、朝日新聞土曜日版別刷り「be」など)に挿絵を描く。大相撲の春巡業、藤沢場所の絵も手がけている。絵の仕事のほか、専門学校等でデッサンの講師をつとめている。忍者ユニット「ケムリとホコリ」のホコリでもある。生き物全般が好きで、自宅では猫、小鳥、エビ、カニ、ポリプテルス等を飼っている。虫はハナムグリを中心にあつめている。祖父は漫画家の横山泰三。

『こっぷんとかっぷん』コメント
子どもの頃、近所の山の形を見ながら「カエルに見えるなぁ」と思っていたのですが、ある日、友達にそのことを話すと「あたしにはライオンに見えるよ」と言われました。僕にはどうやってもライオンに見えず、カエルのままでした。あの山をこっぷんやかっぷんで見たらどうなるのかな、と今、思います。

「こっぷんとかっぷん」

製本:ハードカバー (初版限定オリジナルメッセージカード1枚付き)
定価:1,000円+税
著者:[さく]よしだなおこ・[え]よこやまかんた
初版発行日:2019年4月25日
印刷・製本:株式会社ライブアートブックス
発行人:若木信吾

若芽舎のミニ絵本シリーズは、読み聞かせを始めたばかりの幼児にもちょうどいいページ数で何度でも楽しく読み聞かせができるないようになっています。コンパクトなので、バッグに入れて持ち運びも楽チン。お出かけ先のちょっとした合間でもお子さまに読み聞かせができます。 メッセージカード(初版限定)が同封されていますので、プレゼントにもおすすめです。
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