イラストレーター平尾香の気ままふらり飲み vol.2

みんなでワイワイ飲むのもいいけれど、ちょっと気分転換したい時、一人でゆっくりしたい時、女性一人でふらりと訪れて勝手気ままな自分のためのお酒を楽しめる湘南近郊のお店をイラストレーターの平尾香さんがご紹介。

店の中の様子が少しでもうかがい知れると、ひとりで開ける扉の重さは軽くなる。決して見えすぎてはいけないのもポイント。ここ"筍"は、そんな店構え。夜の鎌倉の裏道にガラス戸からあったかい灯りが漏れていい雰囲気。小さな間口の幅を真ん中、奥に伸びるカウンターを境に厨房側に立つお店の方は、男の人と女の人。この日のお客さんも程よい男女比。これも一見さんの女性が扉を開けるには、ちょうどいい。「こんばんは?」6席ある椅子のちょうど手前側が空いていたので、お邪魔します。

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身体に優しい絶品メニュー

ここは、定食屋。座った正面のメニューボードには、毎日変わるお好み定食メニューが3種。しかし、「ご一緒に、かるく一杯いかがですか?」と張り紙があるし、くるりと左に首を回して奥のメニューボードを見れば、魅力的なアテも豊富なお酒の飲める定食屋さん。

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小瓶の瓶ビールを頼んで、小鉢のメニューを全部ください。と頼めば、定食に付いてくる小鉢をそれだけで出していただけるのだ。目の前に小さな器が並べて、ちょこちょこ食べれる。どれも優しい味付けの季節の野菜などの小鉢。お店の大柄の男性サノさんの三十代の大病を食事で治したという話を聞いて納得。こうゆう料理が体にいいし、家で真似して料理してみようかなと思えるヒントもあったりする。魚料理もお得意で、充実。この日あった塩麹につけたサーモンは、ねっとりした食感に甘みが加わってなんとも言えぬ美味しさ。思わず、日本酒ください!

ひとりひとりを暖かくしてくれる、そんなお店

狭い店内、自然と聞こえてくる隣の話に、お邪魔して会話が弾んだり。鎌倉の美味しい酒場の情報だったり、食材の話だったり。狭いなりのいい距離感。
冬は小鍋のメニューでハフハフいって、自分のメニューにお酒を合わせた夜の定食にニンマリ満腹。

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さっき通った時は、いっぱいだったけどれど、またひとり女性のお客様が扉を開けてたので、そろそろ私は、退散。順繰りにほっこりとした美味しさで、ひとりひとりを暖かくしてくれる、そんなお店が"筍"。

text&illustration : kao hirao
SPECIAL 平尾香さん紹介記事

住所:鎌倉市鎌倉市御成町13−27
TEL:0467-24-5769
営業時間:11:30〜14:30 17:30〜22:30(LO)
定休日:火曜日定休(月一回水曜日不定休)


平尾香 プロフィール

画家 /イラストレーター。神戸生まれ、逗子在住。広告制作会社での勤務ののち、母校である京都の嵯峨美術短期大学助手を経て、アーティストとして活動。旅や自然から受けたインスピレーションを優しいタッチで描く。世界的ベストセラー、パウロ・コエーリョ作『アルケミスト』や『ベロニカは死ぬことにした』などの挿画を担当。現在は逗子にアトリエ兼住居を構え、写真やエッセイなどあらゆる角度で製作活動にいそしむ。Instagram@kaohirano_illustration
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