おいしいイタリアンて?

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クライアントのイタリア旅行をアレンジするとき、レストランも合わせて提案するのだけど、ほとんどのお客様は、「おいしいイタリアンが食べたい!」と言う。この希望にお応えするのはちょっと困ってしまうのだ。たとえ、現地のイタリア人に「おいしいイタリ
アンのお店を教えて!」といっても、よい返答は得られないだろう。というか、現地のイタリア人にとっては???という感じに違いない。イタリアは、地方によって異なる料理文化を持っているので、どんなものが食べたいのか、しっかり言わないと、好みのレストランを案内してはもらえないのだ。

例えば、ファッションの街「ミラノ」。ミラノは、イタリア北部ロンバルディア州の州都。
この地方の名物と言えば、牛などの家畜の肥育が盛んな土地柄、ハムやサラミ、チーズの種類が豊富。ティラミスなんかによく使う「マスカルポーネチーズ」もこのエリアのチーズ。ロンバルディア州の県ごとに、いろんな特産があるから、ロンバルディア料理とはいいにくいんだけど、とうもろこしの粉を使った「ポレンタ」という料理も有名。それから、ミラノ風カツレツ。ミラノ風カツレツとは、豚肉を薄く叩いてのばし、衣をつけてあげた料理で、オーストリアの「シュニッツエル」と酷似しているのだが、日本で言うなら、薄っぺらなとんかつって感じ。とんかつにはソースが必要なように、このミラノ風カツレツにもソースがほしいとKazuquoは思うが、何もでてこない。ひたすらこの薄っぺらとんかつを食べなければなない。ロンバルディアの人々は、「この地方からオーストリアに伝わったんだ!」と言うのだけど、その真意は定かではない。というか、私たち日本人には、全くと言っていいほど関係のない話し。だって、まずくはないけど、「また食べたい!」と思うようなものではないのだから。まっ、とにかくロンバルディアは、山々に囲まれ、冬の寒さが厳しい土地だから、チーズやバター、ソーセージやハムなど、保存に適した食材をよく使う。皆が思ったよりも、こってり、しっかりした料理が多い感じで、ときどき重いなあ?と思うこともあるくらい。


なので、カルボナーラはローマで食べるべきものなのだ。
こんな風に、イタリアは、各地方ごとに食文化を持つ。日本人には、全部イタリア料理と思うかもしれないが、もともと都市国家を寄せ集めてできたイタリアでは、各地方ごとのアイデンティティがしっかりしているので、各地方、各県の個性を理解して旅すると楽しさ倍増!
まっ、こんな感じで、イタリアは、場所によってまったく料理が違う。場所によって気候も異なるし、文化も違う。ローマが、紀元前から続いていることを考えれば当然なのだけど・・。日本だって、沖縄の「ヒージャー汁」を青森では食べないし、秋田のきりたんぽを鹿児島では食べないでしょ。
イタリアに行ったら、イタリアンが食べたい!といわずに、ロンバルディアの料理が食べたいとか、シチリアの料理が食べたいなど、せめてエリアを指定して尋ねると、よいお店を教えてくれると思う。毎日食べ歩くのが楽しくて仕方ないはず。体重が増えることは大前提。それよりも、飲み食いに使った多額のお金が、全部同じ色の物体になって、外に出て行くことが淋しいのだけど、頭の中に様々なインスピレーションが残るので、イタリア食べ歩きは意義のある行為だと認識してほしい。