イラストレーター平尾香の気ままふらり飲み vol.8 SHOO BE DOODA
2019.12.03
みんなでワイワイ飲むのもいいけれど、ちょっと気分転換したい時、一人でゆっくりしたい時、女性一人でふらりと訪れて勝手気ままな自分のためのお酒を楽しめる湘南近郊のお店をイラストレーターの平尾香さんがご紹介。今回は鎌倉・由比ガ浜にある"SHOO BE DOODA"。
その日は冷たい雨で、鎌倉の街はひっそり。江ノ電の乗客は、家路へ急ぎ足。私はひとり、あのビストロへ。由比ヶ浜通り沿いにありながら、ビルの階段を少し上がってドアを2つ開けるという行為だけで私だけが知ってるような、少し特別な気分になるから不思議です。
店内の大きな窓から、雨に濡れた道路に映るたくさんの色の光が綺麗。高めのツールのカウンターに腰掛けて、どうもご無沙汰してますと、ひょろりと身長高めの店主のノリさんにご挨拶。青いエプロンがお似合いです。友人から美味しい料理の話を聞いて、訪ねてから今日は何度かめ。最近はひとりで切り盛りされてるそう。
まずはワインから。白でお願いすると何本か出してくれたボトルのジャケットを見ながら、解説をきく。これは、変わってるからなぁ?というワインの隣からいただくことに。
さてお料理のオーダーを。メニューは大きな黒板に手書きで書かれてカウンターに乗っているので、少しのけぞってみていると、肉詰めオリーブフライは、食べたことありましたっけ?...ないです!お願いします。目に飛び込んできた"豚足舌"という文字、このテリーヌも!カウンターと厨房キッチンに隔たりはなく、この日は、卵と鬼胡桃の乗ったお皿と1つ置かれたレモンが境界線。きれいに磨かれたステンレスの光がシェフの手元をライティング。それをみているだけで楽しいのだけれど、関西人の悪い癖、貸切の店内の無言に耐えれず、私は会話を続けてしまうのです。爪楊枝が刺さって出てきたそれは、しっかりとラムの香りをスパイシーが包んで、オリーブのジューシーさが小さく口で弾けます。
飲みつつ、つまみつつ、お次は、フライパンに乗ったテリーヌに熱い視線。何度か表面を温度を確認するシェフの仕草の度に、まだなんかーい!と心の中でツッコミながら、ひっくり返してお皿に乗る完成を今か今かと待ちわびるのも、楽しいこと。カリッと丁寧に焼かれたテリーヌの美味しいこと。肉々しい2品を選んだのでたっぷり葉物のサラダに、今日は寒いからと豆の煮込みも添えられて、メインのような一品に。定番のメニューでありながら、相手を見ながらその一皿づづに、即興アレンジが加わります。その一皿を仕上げるノリさんは、真剣そうな顔をしつつ、きっと心の中で、♪シュビドゥダ...ドゥドゥッビ、ドゥダダダとその時、かかっているBGMをリズムに合わせて歌っていじゃないかなと思います。
この店に強く惹かれたのは、夜のサンドウィッチ(中身は食べてのお楽しみに)というネーミングのメニューがあったから。テリーヌと同じように丁寧に焼かれるスティクフリット、ウフマヨなど、夜は、全てアラカルトです。
そして、最後にやっぱり気になる変わったワインを。酸味と苦味のあるワインは、デザートの焼き紅玉の甘さをキリッと引き締めてくれました。美味しい料理、ノリさん好みの音楽、褒めると謙遜するけどセンスいっぱいのインテリア、ぜーんぶ独り占めして、贅沢な大人の時間を味わった充実感で、帰り道は、鼻歌交じりにシュビドゥダダ、雨の上がった鎌倉を歩いて帰しましょう。寄り道で、途中にあるバーで、もう1杯もいいかもね、ドゥドゥッビ、ドゥダダダ♪。
text&illustration : kao hirao
SPECIAL 平尾香さん紹介記事
その日は冷たい雨で、鎌倉の街はひっそり。江ノ電の乗客は、家路へ急ぎ足。私はひとり、あのビストロへ。由比ヶ浜通り沿いにありながら、ビルの階段を少し上がってドアを2つ開けるという行為だけで私だけが知ってるような、少し特別な気分になるから不思議です。
店内の大きな窓から、雨に濡れた道路に映るたくさんの色の光が綺麗。高めのツールのカウンターに腰掛けて、どうもご無沙汰してますと、ひょろりと身長高めの店主のノリさんにご挨拶。青いエプロンがお似合いです。友人から美味しい料理の話を聞いて、訪ねてから今日は何度かめ。最近はひとりで切り盛りされてるそう。
まずはワインから。白でお願いすると何本か出してくれたボトルのジャケットを見ながら、解説をきく。これは、変わってるからなぁ?というワインの隣からいただくことに。
さてお料理のオーダーを。メニューは大きな黒板に手書きで書かれてカウンターに乗っているので、少しのけぞってみていると、肉詰めオリーブフライは、食べたことありましたっけ?...ないです!お願いします。目に飛び込んできた"豚足舌"という文字、このテリーヌも!カウンターと厨房キッチンに隔たりはなく、この日は、卵と鬼胡桃の乗ったお皿と1つ置かれたレモンが境界線。きれいに磨かれたステンレスの光がシェフの手元をライティング。それをみているだけで楽しいのだけれど、関西人の悪い癖、貸切の店内の無言に耐えれず、私は会話を続けてしまうのです。爪楊枝が刺さって出てきたそれは、しっかりとラムの香りをスパイシーが包んで、オリーブのジューシーさが小さく口で弾けます。
飲みつつ、つまみつつ、お次は、フライパンに乗ったテリーヌに熱い視線。何度か表面を温度を確認するシェフの仕草の度に、まだなんかーい!と心の中でツッコミながら、ひっくり返してお皿に乗る完成を今か今かと待ちわびるのも、楽しいこと。カリッと丁寧に焼かれたテリーヌの美味しいこと。肉々しい2品を選んだのでたっぷり葉物のサラダに、今日は寒いからと豆の煮込みも添えられて、メインのような一品に。定番のメニューでありながら、相手を見ながらその一皿づづに、即興アレンジが加わります。その一皿を仕上げるノリさんは、真剣そうな顔をしつつ、きっと心の中で、♪シュビドゥダ...ドゥドゥッビ、ドゥダダダとその時、かかっているBGMをリズムに合わせて歌っていじゃないかなと思います。
この店に強く惹かれたのは、夜のサンドウィッチ(中身は食べてのお楽しみに)というネーミングのメニューがあったから。テリーヌと同じように丁寧に焼かれるスティクフリット、ウフマヨなど、夜は、全てアラカルトです。
そして、最後にやっぱり気になる変わったワインを。酸味と苦味のあるワインは、デザートの焼き紅玉の甘さをキリッと引き締めてくれました。美味しい料理、ノリさん好みの音楽、褒めると謙遜するけどセンスいっぱいのインテリア、ぜーんぶ独り占めして、贅沢な大人の時間を味わった充実感で、帰り道は、鼻歌交じりにシュビドゥダダ、雨の上がった鎌倉を歩いて帰しましょう。寄り道で、途中にあるバーで、もう1杯もいいかもね、ドゥドゥッビ、ドゥダダダ♪。
text&illustration : kao hirao
SPECIAL 平尾香さん紹介記事
SHOO BE DOODA
PLACE : 鎌倉市由比ガ浜3-11-42 ライオンズマンション鎌倉由比ガ浜1F
TEL : 0467-38-5840
HOURS : Lunch mon-sun 11:30-15:00 (LO.14:00) / Dinner mon-sun 18:00-22:00 (LO.21:00)
REGULAR HOLIDAY : 火曜日、第1・第2水曜
SHOO BE DOODA
TEL : 0467-38-5840
HOURS : Lunch mon-sun 11:30-15:00 (LO.14:00) / Dinner mon-sun 18:00-22:00 (LO.21:00)
REGULAR HOLIDAY : 火曜日、第1・第2水曜
SHOO BE DOODA