Brisagram! 海辺の草こよみ vol.9

庭宇宙

海を臨む森のなか、季節の草に囲まれて草とともに暮らす草文化探求の矢谷左知子さんの
湘南の自然の中での暮らしの一コマをお伝えします。

二輪椿

旧暦新年あけましておめでとうございます。
二度目のお正月ですね。
月の暦でいえば、これがほんとのお正月、今回は1月31日。
新月朔日です。
そして今日2月1日は二日目の月、夕方うっすらと細い月が海の上にかかっている様は幻想的で
やさしい景色でした。

去年からこの旧暦新年には潮汲みして、お塩を焚いてつくっています。
葉山の海の水でつくる塩、これが驚いたことに、これまでいただいたどんなよいお塩よりも
おいしいのです。そのレポートはまた書きますね。

そして今年もようやく咲きはじめました。
庭の乙女椿です。
ふつうの椿より遅く咲き始め、春までに満開となります。
牡丹や芍薬にも似た花弁ですが、花びらが全開したときに正面から見ると・・
まさにフラワー・オブ・ライフ。
この見事な旋回のぐるぐる渦には、思わず引込まれてしまいます。

ぐるぐる椿

宇宙の基本構造のスピン、銀河の渦と一緒です。
巻き貝や、人の頭のつむじもそうですが、命はそうやって渦を描きながら、
この世界に現われ出てくるのだろうな、と思いを馳せることができ、なにやら厳粛な気持になります。
先日、近所の農家の直売所で買いもとめた、ロマネスクという野菜も見事なスピン!
これも見ているうちに、クラクラしてくる構造です。フラクタルの見本のよう。

ロマネスク

自然の造形ほど興味深いものはありません。
巨大な宇宙から、この地球のなかの小さな命までが同じ構造をしている妙。
考えたら当たり前のことなのですが、
その当たり前のことは、実は神の領域と結びついている、
そうしたことを、庭先の植物はおしえてくれています。
日常のなかに宿る神はそこここに。
庭のなかにある壮大な宇宙、ヒョイ、と乗り越えれば宇宙はすぐそこです。

そのなかで、人類って、果たしてなんなのだろう、
と最近よく考えてしまいます。

とりあえず、愛。
ただ愛。
愛の具現、、

ということで、この愛すべき美しい花のピンクと、うちの猫さんのピンクが合いそうだな、
とカメラを向けていたら、突然のアクビ!
舌の色と花びらが同じ色・・
思いがけない宇宙の妙(たえ)なる造形写真が撮れちゃいました。

アクビひな

文 写真 矢谷左知子

セヴァン・スズキさんと一緒に草あそび

セヴァンちらし

来る2月16日、あのセヴァン・スズキさんが三浦半島にやってきます。
1992年リオデジャネイロの国連環境サミットで世界中が感動した伝説のスピーチをした少女(当時12才)として知られるセヴァンさんも今ではお母さんです。そのセヴァンさんと、この日、いっしょに草ワークすることになりました。
なにしよう? ワクワクすることを考え中です。おたのしみに!
ぜひ皆さんも一緒に自然のなかで一日過ごしましょう。たくさんのステキな出店やWSがあります。
くわしくはこちらの案内をごらんください。
セヴァン・スズキのLOVE IS THE MOVEMENT@SHOKU-YABO農園
矢谷左知子 プロフィール

草文化探求 / 草の翻訳
身の周りの野生の草を主題に、草から繊維をとり糸にして布を織る「草の布」の制作を長年。近年は草をテーマに、染織はもとより食や癒、道具、暦などさまざまな草文化の探求とワークショップ、ナチュラルなグラフィックデザインの仕事などしています。
海辺の山の中の一軒家に住んで、人よりも草や小動物や星のほうが近い暮らし。海で泳ぐのが大好き。山をうろつくのも大好き、
いい年をしてスラックライン(ツナ渡り)も得意です。
時おり自宅「草舟 on Earth」でワークショップ
時々、逗子CINEMA AMIGOで「草ランチ」を出しています。(次回は2/11)

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