Brisagram! 海辺の草こよみ vol.27

草のシンプルライフ

季節の草に囲まれて草とともに暮らす草文化探求の矢谷左知子さんの湘南の自然の中での暮らしの一コマをお伝えします。
葉っぱ大

梅雨明けも間近いこの時季
しとしと雨がもうすこしほしいな、と思ってみたり、
晴れ間には近くの海で泳いで、ぷはー、プカプカ、、
梅雨明けも待ち遠しいなと思ってみたり・・
そんな微妙な季節ですね。

草が一番元気なこの時季は、草たちからの恵みをいただきます。
いつもの草の糸作りや染めとはまた違って、草のリカー漬けや草の酵素など、
日々の草との関わりについて、少し紹介させていただきます。

草の恵みをいただく時は、
朝一番の露をはらんだものを摘み、仕込みます。
庭の草だけでは足りない時は
すぐそばの山の上の草原に、草取りに。

はらっぱ

早朝お散歩がてら、そこに着くと、トンビたちが草むらでまどろんでいるのですが、
私が入ると皆いっせいに飛び立ちます。
ごめんよーと言いながら、手を拡げ、上を向いて、彼らにおはよー、と
ぐるぐる廻りながら挨拶すると、いったん飛び立ったトンビたちが、
なんだなんだ、とまた私の周りを円を描きながら飛びはじめ、しばらく一緒にダンスするのです。
そんなうれしい朝を時々迎えます。

今回の草たちは
オオバコ・ヨモギ・葛・カキドオシ・セイタカアワダチソウ・車輪梅・ツユクサ・熊笹・
アカメガシワ・ハナモモ・桑・ドクダミ・ミント・ビワなどなど。
リカー漬けと酵素用に。

葉っぱざる

酵素つくりには多量の白砂糖を使います。
日頃、白砂糖はもちろんのこと、砂糖自体、極力取らないようにしているので、
仕込む時には多いに抵抗があります。
一応サトウキビではなく、甜菜糖の白砂糖を使っていますが、それでもこの量には、うーん、となります。
この草酵素は飲むというよりは、身体や髪を洗ったりする時に使うようにしています。
夏の草仕事での虫刺されや、日焼けの肌に気持ちよく、やわらかいのです。

酵素ジュースは身体によいとされていますが、
やはりこの白砂糖は無毒化はしないと思っていたほうがよさそうです。
飲料には飲み過ぎないよう、普通の砂糖のジュースと同じと思って
適度に摂るとよいですね。

エキス リカー

アロエ・ローズマリーのエキス、と草酵素エキス、大きな瓶のほうは草のリカー漬けです。

いつのまにか石鹸やシャンプーは使わなくなりました。
草酵素はお風呂で石鹸かわりに使い、
アロエのエキスは日焼け肌や頭の地肌に。
草のリカー漬けも、夏の肌に気持ちよく、虫に刺されたとき等によく効きます。
どれも爽快です。
なにより「庭由来」のものが素材、という心地よさがあり、
排水も安心、むしろ水をきれいにするのではないかしらんと思っています。

夏キッチン

海のすぐそばに住んでいる私たち、海の民。
家庭の排水は海に直結しています。

水鳥も、海亀もほとんど見かけなくなりました。
彼らの行き場はこの日本にあるのかしら。

日々のちょっとしたことの積み重ねが、この世界を作って行くことを思うと、
毎日なにげなく使うものを、なるべく減らして、より自然に近いものを選んだり、
シンプルな暮らしを心がけて行きたいと思います。

写真・文 矢谷左知子

矢谷左知子 プロフィール

草文化探求 / 草の翻訳
身の周りの野生の草を主題に、草から繊維をとり糸にして布を織る「草の布」の制作を長年。近年は草をテーマに、染織はもとより食や癒、道具、暦などさまざまな草文化の探求とワークショップ、ナチュラルなグラフィックデザインの仕事などしています。
海辺の山の中の一軒家に住んで、人よりも草や小動物や星のほうが近い暮らし。海で泳ぐのが大好き。山をうろつくのも大好き、
いい年をしてスラックライン(ツナ渡り)も得意です。
時おり自宅「草舟 on Earth」でワークショップ
時々、逗子CINEMA AMIGOで「草ランチ」を出しています。

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