Brisagram! 海辺の草こよみ vol.28

庭の虫々

季節の草に囲まれて草とともに暮らす草文化探求の矢谷左知子さんの湘南の自然の中での暮らしの一コマをお伝えします。
かまきり
カマキリ小
カマキリはいつでもファイティング・ポーズ!

草も好きですが、虫も好きです。
と言いますか、この星の生き物のことは、だいたい好きなのです。
唯一、蚊だけはいまだにごめんなさい、でやっつけてしまいますが、
嫌われ者の、あのゴキブリでさえ、おぼれそうになっていたりすると、思わず助けたり
ミミズやヘビも道ばたで弱っているのに出くわすとレスキューしてしまいます。

団子虫やアリも歩く時には、出来る限り踏まないようにしているのですが、うちの山道にはなにせ多くいすぎます。
そんなとき、スラックライン(ツナわたり)で鍛えたバランス感覚が役に立っています。
とはいえ、歩く度に小さな生き物たちを無数に犠牲にしてはいるのですが。

庭に住むトカゲやヘビたちもいとおしいです。
開発が進み、草原がどんどんとなくなって、コンクリートで覆われてきたなか、
生きて居てくれるのがうれしいのです。

虫は何と言っても、その形態、造化の妙に、時に釘付けです。
こんなに小さな生き物の中に、人間など及びもつかない能力や美しさを見いだすことができます。

家の外にも中にもいろんな虫が訪れてくれるのですが、
あわててカメラを取りに行って、戻ったときにはいなかったり、
動くのが早くてピントが合わなかったり、
写真に残っているのはほんのわずか。
虫を撮るというのは、まったく運まかせです。

玉虫 玉虫2

命の終った玉虫がいました。
玉虫のこの色はいったいなんでしょうか。
金属のようなレインボウカラーには自分の中で、すごい!すごい!の連発です。
いつまでも見飽きません。

蝉もおどろくほど美しい色で出来上がっているのですね。
宝石を象嵌したトルコの宮殿の一部のようです。
いえ、宮殿がまねたのでしょう。

蝉

イモムシもインパクトあります。

イモムシ

こんなのや

ナゾ

こんなの。

ふわぴょん

極小サイズの虫たち、
いったいあなたはだあれ?と聞きたくなる子たちが
ぴょこぴょこと歩いています。
みな、それぞれの生の時間を、まっすぐに生きている。

「一寸の虫にも五分の魂」
日本のことわざには、虫など他の生き物に対しての
なにげないけれど愛のある眼差しがあるようにおもいます。

子供たちの、命を軽んじた事件のニュースや、
世界中から届く、動物虐待に対する署名の記事など、
その度に心を痛めていますが、
今私にできるのは、そうした署名もしながら、
自分の周りの生き物たちに、精一杯の愛を注ぐことです。

虫いっぱいの夏、
目の前の生き物との遭遇に、心ときめかす日々哉。

kamikiri

写真・文 矢谷左知子

【 白なめし革の夏のサンダルをつくる日 】

サンダル

ー日本古来のオーガニックな製法ー
塩と菜種油だけでなめされた革でつくるサンダルWS

【 白なめし革の夏のサンダルをつくる日 】

草舟 on ErathでのWSのご案内です。
鎌倉で活躍されていた てのひらワークスの小林智行さんは親しい友人です。
この度、サンダルつくりのWSをしていただくことになりました。

草舟で革?
それはこの素晴らしい白なめし革を知っていただきたいからです。

白なめしは奈良時代からつづく伝統のなめし技術。
通常革のなめしには薬品を使うのですが、この白なめしは一切の化学薬品を使うことなく、
塩と菜種油だけでなめして、ここまで美しい白色に仕上げます。

じっくり一日サンダルつくりに取り組む日。

くわしくは草舟 on Earthをご覧下さい。
矢谷左知子 プロフィール

草文化探求 / 草の翻訳
身の周りの野生の草を主題に、草から繊維をとり糸にして布を織る「草の布」の制作を長年。近年は草をテーマに、染織はもとより食や癒、道具、暦などさまざまな草文化の探求とワークショップ、ナチュラルなグラフィックデザインの仕事などしています。
海辺の山の中の一軒家に住んで、人よりも草や小動物や星のほうが近い暮らし。海で泳ぐのが大好き。山をうろつくのも大好き、
いい年をしてスラックライン(ツナ渡り)も得意です。
時おり自宅「草舟 on Earth」でワークショップ
時々、逗子CINEMA AMIGOで「草ランチ」を出しています。

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