Brisagram! 海辺の草こよみ vol.43

森へ 薬草を摘みに

森1

大好きな上の森

この地域は海までは数分なのに、
深い森までも歩いて十数分

原生の森

別世界が
そこにある

森2

およそ道なき道をかき分けて、
誰ひとりいない、森のなかへ

ここで人に逢ったことがない

聞こえるのは高い枝先の野鳥の声
リスの枝渡りの音
シュレーゲルアオガエルの鳴声
草を踏み分ける自分の足音

立ち止まり、しばし空を見上げる

すべるように飛ぶ、トンビ

森3

てんとうむし

芽

上の森にはよく草をいただきに来る。

染めにつかう草、
食べ物でいただく草、
お茶にする草
治癒に使う薬草、

ちょっと歩けば草の宝庫。

でもみな草をとりには来ない。

草は草刈り機で刈るだけだ。

もったいないことしてるなあ、、

植物たちの人への手助けの力は計り知れない。

今日はヘビイチゴを摘みに来た。

ヘビイチゴ

ヘビイチゴ収穫

このまえ群生していたのが、またそろそろ採りどきかな、と。

毎年ヘビイチゴを焼酎漬けにしている。

草やぶにはいるのが仕事の私には、なくてはならないお薬。
どんな虫刺されも瞬時にかゆみがおさまる。
こんなに効き目のあるものは知らない。
これをそのまま焼酎に漬けるだけ。
1週間もすれば濃い抽出液ができる。
抜群のかゆみ止め、おためしあれ。

草たちにはほんとに助けてもらっています。

暮らしのあらゆるところ、草だらけ、

草とあそびて日が暮れる

そんな草の日々を今日も。

びんづめ


文・写真 矢谷左知子

矢谷左知子 プロフィール

草文化探求 / 草の翻訳
身の周りの野生の草を主題に、草から繊維をとり糸にして布を織る「草の布」の制作を長年。近年は草をテーマに、染織はもとより食や癒、道具、暦などさまざまな草文化の探求とワークショップ、ナチュラルなグラフィックデザインの仕事などしています。
海辺の山の中の一軒家に住んで、人よりも草や小動物や星のほうが近い暮らし。海で泳ぐのが大好き。山をうろつくのも大好き、
いい年をしてスラックライン(ツナ渡り)も得意です。
時おり自宅「草舟 on Earth」で草のワークショップ
時々、逗子CINEMA AMIGOで「草ランチ」を出しています。

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