Brisagram! 海辺の草こよみ vol.53
2016.03.20
摘み草のシーズン
春は一気に運ばれてきましたね。
ほんとうに何かに乗って、いきなりやって来ます。
いったいどこから??という感じです。
穏やかに来てみたり、激しく来てみたり、気まぐれで、ダイナミック、
春は一年でもいちばん激しい季節です。
そして、今まさに、草摘みのベストシーズン、
食べる草、
素材にする草、
毎日、続々と新顔が噴き出すので、てんやわんやになります。
冬のものと早春のものとが入り交じって、
終わるものと、これから始まるもの、この時季はいれかわりの刻(とき)。
まさに今日、春分。
冬と春を分ける刻です。
食べる草は採ってくると、それはもう大忙し。
茹でたり、すりつぶしたり、
ゴリゴリ、スリスリ・・
毎日、いろんな草がいろいろ変身、
草魔女の様相です。
毎度ながらツクシも、その宇宙的な姿と、コクのある味わいに驚嘆です。
これはほんとに唯一無二の味。
草というよりは、キノコのよう、クサノコ?
野菜食の私には、まるで貝でも食べてるかのような深みが、食事に独特な力を添えてくれる貴重な存在。
それにしても不思議な草です。
ヨモギはお饅頭や草パンケーキ、染めやモグサに姿を変え、
ハコベは歯磨き粉やサラダ、
フキノトウはお味噌やペーストに。
これからはノビルやツユクサや、ツワブキ、
まだまだ出てきてくれます。
つぎつぎと、次の形に姿を変えていく草たち、この時季だけの天の恵みは、今まさに旬、
土のなかには、これから飛び出そうとしている元気な命たちが準備中。
山道をあるいていても、足の下がむずむずするようです。
今月はそんな摘み草と料理の会も開催します。
一年でたったひと月あまり、今しかない、摘み草の時季。
存分に浸ってみてはいかがですか。
草たちに触れるだけでも、指先から確実に春の気配が入ってきますよ。
草たちからの限りない、いのちの贈り物です。
写真・文 矢谷左知子
矢谷左知子 プロフィール
草文化探求 / 草の翻訳
身の周りの野生の草を主題に、草から繊維をとり糸にして布を織る「草の布」の制作を長年。近年は草をテーマに、染織はもとより食や癒、道具、暦などさまざまな草文化の探求とワークショップ、ナチュラルなグラフィックデザインの仕事などしています。
海辺の山の中の一軒家に住んで、人よりも草や小動物や星のほうが近い暮らし。海で泳ぐのが大好き。山をうろつくのも大好き、
いい年をしてスラックライン(ツナ渡り)も得意です。
時おり自宅「草舟 on Earth」で草のワークショップ
ブログ
草舟 on Earth
草虫こよみ
草文化探求 / 草の翻訳
身の周りの野生の草を主題に、草から繊維をとり糸にして布を織る「草の布」の制作を長年。近年は草をテーマに、染織はもとより食や癒、道具、暦などさまざまな草文化の探求とワークショップ、ナチュラルなグラフィックデザインの仕事などしています。
海辺の山の中の一軒家に住んで、人よりも草や小動物や星のほうが近い暮らし。海で泳ぐのが大好き。山をうろつくのも大好き、
いい年をしてスラックライン(ツナ渡り)も得意です。
時おり自宅「草舟 on Earth」で草のワークショップ
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