Brisagram! 海辺の草こよみ vol.55
2016.06.15
ドクダミのティンクチャー
季節の草に囲まれて草とともに暮らす草文化探求の矢谷左知子さんの湘南の自然の中での暮らしの一コマをお伝えします。
![アジサイ](/files/2016/06/f5761514e34c66.jpeg)
梅雨のさなかですが、あまり蒸す日もなく、爽やかだったり、肌寒かったりの日々ですね。
そんな気候でも、季節の植物たちは、のびのびと伸び盛り、
大好きなアジサイの花や、羊歯の群生が活き活きと。
庭には、今が盛りのドクダミが、次々と花を咲かせ続けます。
咲いてから2日ほど経ったお花は、茶色に変化していきますが、
咲きはじめのドクダミの花は、キリッとして、なんとも高貴な気配です。
![ドクダミ花](/files/2016/06/f576151c8e6c0e.jpeg)
最近思うのは、その時季にまさにはびこって、庭や空き地を覆い尽くす植物たちは、
人や動物がその時季を過ごすのに、とても役にたってくれるものたちだ、ということ。
春の野草も、人や冬眠から覚めた生き物たちのために、排毒や滋養を高めてくれる扶けをしてくれます。
季節ごとの草たちは、他の生き物たちのために生えてきてくれてるのではないか、
と思うほど、たくさんのギフトを携えてやってきてくれます。
それに気付かない、あるいは、とっくに忘れてしまった人間は、
そんな草をただ迷惑と思うだけで、必死に刈り取り、うち捨てます。
それでも草は何度も何度も生えてくる。
わたしたちを使ってほしい、
そのなかに秘めている宝のような成分に気付いて、役にたててほしい、
と、目の前に現れてくれるのではないかしら。
そんなふうに思えてきます。
そういう草たちをいただいて、季節ごとの草の仕事をしているのですが、
今の時季につくるものに、ドクダミのティンクチャーがあります。
![どくだみ](/files/2016/06/f576151c903b31.jpeg)
日ごろ、草やぶのなかで過ごすことが多い私ですが、「ヤブ慣れ」という言葉があるように、
しだいに虫に刺されなくはなってきました。
とはいえ、時にはいろいろなこともあり、毎年この時季、虫刺されの特効薬を仕込みます。
一番よく効くのが、ヘビイチゴ。
以前ご紹介させていただきましたが、今年はあまり成っていなかったので、少ししかとれず。。
![へびいちご](/files/2016/06/f576151c90ac79.jpeg)
かわりにドクダミの花のティンクチャーを仕込みます。
毎年ドクダミの葉でつくり、化粧水にもしていますが、
今年はお花だけのものをつくっています。
つけ込んで一週間ほどで、もうエキスはトロっとしてきます。
虫刺されにとてもよく効き、かゆみや腫れもすーっと引いていきます。
私はこれを化粧水にもしていますが、
お肌の弱い方はお水で薄めて使ったほうがよさそうです。
作り方はかんたん、
35度以上のリカーにドクダミをつけるだけ。
数日もすれば、お花は茶色になり、琥珀色のエキスになります。
虫刺されならすぐに使えますが、化粧水にはアルコールが飛ぶまで、
数ヶ月から1年以上寝かせたほうがいいようです。
じめじめした梅雨の時季に、この抜けるような清浄な香りは、あたりを引き締めてくれ、
こころもまたしゃん、とします。
季節ごとの草からのギフトに浸り、その時季を存分に味わうことで、
自然と身心も整っていくような気がします。
雨の季節、楽しんでくださいね。
![化粧水](/files/2016/06/f576151c90c3e6.jpeg)
文・写真 矢谷左知子
![アジサイ](/files/2016/06/f5761514e34c66.jpeg)
梅雨のさなかですが、あまり蒸す日もなく、爽やかだったり、肌寒かったりの日々ですね。
そんな気候でも、季節の植物たちは、のびのびと伸び盛り、
大好きなアジサイの花や、羊歯の群生が活き活きと。
庭には、今が盛りのドクダミが、次々と花を咲かせ続けます。
咲いてから2日ほど経ったお花は、茶色に変化していきますが、
咲きはじめのドクダミの花は、キリッとして、なんとも高貴な気配です。
![ドクダミ花](/files/2016/06/f576151c8e6c0e.jpeg)
最近思うのは、その時季にまさにはびこって、庭や空き地を覆い尽くす植物たちは、
人や動物がその時季を過ごすのに、とても役にたってくれるものたちだ、ということ。
春の野草も、人や冬眠から覚めた生き物たちのために、排毒や滋養を高めてくれる扶けをしてくれます。
季節ごとの草たちは、他の生き物たちのために生えてきてくれてるのではないか、
と思うほど、たくさんのギフトを携えてやってきてくれます。
それに気付かない、あるいは、とっくに忘れてしまった人間は、
そんな草をただ迷惑と思うだけで、必死に刈り取り、うち捨てます。
それでも草は何度も何度も生えてくる。
わたしたちを使ってほしい、
そのなかに秘めている宝のような成分に気付いて、役にたててほしい、
と、目の前に現れてくれるのではないかしら。
そんなふうに思えてきます。
そういう草たちをいただいて、季節ごとの草の仕事をしているのですが、
今の時季につくるものに、ドクダミのティンクチャーがあります。
![どくだみ](/files/2016/06/f576151c903b31.jpeg)
日ごろ、草やぶのなかで過ごすことが多い私ですが、「ヤブ慣れ」という言葉があるように、
しだいに虫に刺されなくはなってきました。
とはいえ、時にはいろいろなこともあり、毎年この時季、虫刺されの特効薬を仕込みます。
一番よく効くのが、ヘビイチゴ。
以前ご紹介させていただきましたが、今年はあまり成っていなかったので、少ししかとれず。。
![へびいちご](/files/2016/06/f576151c90ac79.jpeg)
かわりにドクダミの花のティンクチャーを仕込みます。
毎年ドクダミの葉でつくり、化粧水にもしていますが、
今年はお花だけのものをつくっています。
つけ込んで一週間ほどで、もうエキスはトロっとしてきます。
虫刺されにとてもよく効き、かゆみや腫れもすーっと引いていきます。
私はこれを化粧水にもしていますが、
お肌の弱い方はお水で薄めて使ったほうがよさそうです。
作り方はかんたん、
35度以上のリカーにドクダミをつけるだけ。
数日もすれば、お花は茶色になり、琥珀色のエキスになります。
虫刺されならすぐに使えますが、化粧水にはアルコールが飛ぶまで、
数ヶ月から1年以上寝かせたほうがいいようです。
じめじめした梅雨の時季に、この抜けるような清浄な香りは、あたりを引き締めてくれ、
こころもまたしゃん、とします。
季節ごとの草からのギフトに浸り、その時季を存分に味わうことで、
自然と身心も整っていくような気がします。
雨の季節、楽しんでくださいね。
![化粧水](/files/2016/06/f576151c90c3e6.jpeg)
文・写真 矢谷左知子
矢谷左知子 プロフィール
草文化探求 / 草の翻訳
身の周りの野生の草を主題に、草から繊維をとり糸にして布を織る「草の布」の制作を長年。近年は草をテーマに、染織はもとより食や癒、道具、暦などさまざまな草文化の探求とワークショップ、ナチュラルなグラフィックデザインの仕事などしています。
海辺の山の中の一軒家に住んで、人よりも草や小動物や星のほうが近い暮らし。海で泳ぐのが大好き。山をうろつくのも大好き、
いい年をしてスラックライン(ツナ渡り)も得意です。
「草舟 on Earth」にて、毎月草のワークショップ
ブログ
草舟 on Earth
草虫こよみ
草文化探求 / 草の翻訳
身の周りの野生の草を主題に、草から繊維をとり糸にして布を織る「草の布」の制作を長年。近年は草をテーマに、染織はもとより食や癒、道具、暦などさまざまな草文化の探求とワークショップ、ナチュラルなグラフィックデザインの仕事などしています。
海辺の山の中の一軒家に住んで、人よりも草や小動物や星のほうが近い暮らし。海で泳ぐのが大好き。山をうろつくのも大好き、
いい年をしてスラックライン(ツナ渡り)も得意です。
「草舟 on Earth」にて、毎月草のワークショップ
ブログ
草舟 on Earth
草虫こよみ