音楽好きが集うカフェ、茅ヶ崎"Brandin"へ!（2/2）

ターンテーブルの置かれたコーナーは、ラジオ局のスタジオの雰囲気

Brandinではお客さんがレコードを選んで好きにかけて聴くことができる。DJバーのようにDJにリクエストして曲をかけてもらうのではなく、あくまでも自分で好きに聴いていい。もちろん、宮治さんや奥様のひろみさんに「何かおすすめかけてもらえませんか？」というオーダーもありだし、本や雑誌を読みながら誰かのセレクトしたレコードに耳を傾けるのもいい。自分が好きな音楽を追求するのも楽しいものだが、それまで全然気にもかけていなかった新しい音と、ある日ひょんなきかっけで出逢うというのも、これまた楽しい音楽との付き合い方だ。それに時に音楽は人と人とを繋げてくれる素晴らしい潤滑油の役割も果たす。例えば、まだ知り合って間もない相手とのデートで会話が途切れた時、そこに聞こえる音楽がその場の空気をずいぶん和らいだものにしてくたという経験、多くの人があるのではないだろうか。同じアーティストのファンということで意気投合するケースも多々ある。Brandinでも、とあるアーティストが大好きなお客さん同士を紹介したら二人が仲良くなってとても喜ばれたという事例があるらしい。


木のぬくもり溢れる家具が並ぶ店内には、大きな窓からの自然光が心地よい

そんな素敵なお店なので、わざわざ東京や遠方から足を運んでやって来る人も少なくない。一方、近所の方で5年間くらいずっとこの店なんだろう?と思いながら、ようやく意を決してドアを開けたという常連さんも。

住宅地の中にあるミュージックカフェというと、初めての人はちょっと入り辛いのかもしれないが、そんな心配はまったく無用。初めての人も、二度目の人も、100回目の人も、みなBrandinのドアを開ければ、そこには素晴らしく居心地のよい空間が待っている。どっぷりと音楽を聴きたい人も、なんとなくBGM的に音のある空間を楽しみたい人も、音楽というよりかはカフェマニアという人も、友達同士恋人同士はもちろん、お独り様でもぜひBrandinで過ごす時間を体験してみて欲しい。

　　

特別に贅沢というわけではないけれど、気分のいい休日の午後。Brandinのドアを閉めて家への帰り道で、思わず鼻歌を口ずさんでしまうような、軽快に自転車のペダルを漕ぎたいような、そんな気分のよさだ。取るに足らぬような小さな幸せ、という表現にも出来るのかもしれない。でもみなさんは知っているはず。そういった小さな小さな幸せが世界をカラフルに彩ってくれている、ということを。小さな小さな幸せこそ、日々の宝物であるということを。Brandinはそんな小さな幸せをシェアさせてくれる不思議なお店だ。

週末、気が向いたらぜひBrandinへ。音楽が繋ぐ新しい出逢いが待っているかもしれない。




Brandinは宮治さんとひろみさん、おふたりのお人柄がよく出たお店です


文・写真　小林繭