飾らず大人の時間をすごしたい、長者ヶ崎のギャラリー+カフェ(2/2)

まるでホームパーティーに招かれたようなほどよい距離感

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「Atelier23.」は基本的に12時から日没までが営業時間のため、ランチもしくはカフェタイムがメインとなっているが、井手さんの気分次第で17時以降に「ちょい呑みセット」が用意される日もあるという。それもそのはずラフに黒板に書かれたメニューは、デザートに至るまでワインが飲みたくなるメニューなのだ。
自宅でも普段から友人を招待してのホームパーティーをするという井手さん。お店で出しているメニューも、きどらず食べやすいものを中心に考えているそう。
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上はスペアリブ+豚肉とキャベツのビール煮込みと天然酵母パン盛り合わせ、三浦野菜のピクルス。下はM‘sクロケットとオムレツ。どちらもセレクトしているビオワインにぴったりのメニュー。ランチは前菜3種にメインをセレクトして¥1,200。+¥200でドリンク付き。+¥400でワインに。+¥300でケーキ付き。と各自の好みに応じて選べるスタイルが嬉しい。
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a23_21.jpgお店に入り笑顔で出迎えてくれた井手さんを見た瞬間に、なぜか心をほどいてしまいそうになる。それくらい、飾らない自然体の姿がそこにはあった。
店内中央に置かれたテーブルは6人ほど座れるサイズ。お客様が重なれば否応無しに相席になってしまう。でもそこは彼女の気さくな人となりがものを言い、人と人を繋げてゆく。美味しい食事とワイン、お酒にも合うスイーツとコーヒーで誰もが笑顔になり、まるで井手さんのホームパーティーに招かれた気分になるだろう。
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涼しい風が吹いてくるサンセットの時間になるとテラス席が特等席になる。
道の向こうには夕陽に染まる海原が広がり、お喋りをやめしばし見入ってしまう贅沢な瞬間。

葉山に住む人は、口を揃えて言う。一色海岸を越えた長者ヶ崎から海はまた別段美しく広がると。
会社の代表を引退後「さあこの次は何をやろうか」と半年ほど考えたという井手さん。
この上に住むということは、毎日ここからの景色を見ていたのだろう。
真夏の陽光にきらめく海も、静かに雨が降りそそぐ海も。
音もなく雪が降り積もる海岸も、それぞれに美しさをもっている。
そんな景色を誰かにも分けてあげたい、そう思ったのではないかと。

鎌倉や逗子、葉山の海岸と比べると、この時期でも観光客が多すぎないという長者ヶ崎。
この夏はぜひここでゆったりとした時間を過ごしてみてほしい。
美味しい料理についつい飲み過ぎてしまっても大丈夫。
お店のドアを開けて5秒でバス停があるのだから。

〈写真・文 小池えり子〉
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Atelier23.
住所:神奈川県三浦郡葉山町下山口2050-23
JR逗子駅より長者ヶ崎バス停まで約20分 下車5秒
TEL:0468-07-0338
営業時間:12:00〜日没まで
定休日:月、火、水曜日
URL: http://www.shinobuide.com/
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