Brisagram! 海辺の草こよみ vol.23

トケイソウのレインフォレスト

トケイソウ大

梅雨入りしましたね。
梅雨生まれのせいもあって、この時季は一年でもいちばん元気で、身体が動くとき、
植物たちが日々ものすごい勢いで成長するのと呼応するように
身体中にエネルギーが満ちて、外は雨でもウキウキする、
そんなシーズンでした。

でも今年はいつになく体調を崩し、
ずっと微熱と歯痛、おまけに初めての腰痛にも見舞われ、
雨のなか、家でじっと静かにしています。
鍼灸師の友人に往診に来てもらうと、今、同じような症状の人がとても多い、と。
みなさんは大丈夫でしょうか。

とはいえ、やはり好きなシーズン。
窓の外の緑たちの勢いを、驚異とワクワクの気持で眺めています。
雨が上がったら、また何十本とニョキニョキ生えてきた竹を伐らねば!

彼らは生えるのをたのしんでいて、
そして伐られるのも楽しんでいるように、この頃感じれるのです。
こっちを伐ったらあっちから出る。
モグラ叩きのように、お互い、やりとりをしている感じがします。
そうしながら、やりとりを楽しみながら、
人と植物は、互いが調和を取っていくのだなあ、などと。

花1花2

庭といえば、ウチは今トケイソウ大爆発です。
この家に来て4年目の春を迎えました。
一年目に家の隅っこからひょろひょろと、なにかツルが出てきたのをそのままにしていたら、
二年目のある日、いきなりトケイソウの花がポン、と開き、仰天しました。
3年目の去年の夏には、あれよあれよと軒先を覆い、
いまでは一日に何十コもの花を咲かせます。

花すだれ
今日も雨の中盛大に咲いています。

トケイソウはパッションフルーツの仲間です。
残念ながら、ウチのトケイソウは実がならない種類のようですが、
もし成っていたら出荷できるほどの成長ぶり。

庭から外を眺めるときも、このグリーンカーテンが室内に緑陰を投げかけてくれ、
そこから雨をうかがうのがなんとも清々しい。

部屋1部屋2

この雨の季節、
うっとおしいと思えばそうですが、
この雨は稲を育て、川を清め、地上を洗い流してくれる恵みであり、
この時季は水と緑の恩恵を存分に楽しめる、一年でも唯一のシーズンでもあります。

思いきり素敵な雨の季節を、元気よくお過ごしくださいますよう。

写真・文 矢谷左知子
矢谷左知子 プロフィール

草文化探求 / 草の翻訳
身の周りの野生の草を主題に、草から繊維をとり糸にして布を織る「草の布」の制作を長年。近年は草をテーマに、染織はもとより食や癒、道具、暦などさまざまな草文化の探求とワークショップ、ナチュラルなグラフィックデザインの仕事などしています。
海辺の山の中の一軒家に住んで、人よりも草や小動物や星のほうが近い暮らし。海で泳ぐのが大好き。山をうろつくのも大好き、
いい年をしてスラックライン(ツナ渡り)も得意です。
時おり自宅「草舟 on Earth」でワークショップ
時々、逗子CINEMA AMIGOで「草ランチ」を出しています。

*6月の草講座はこちらです。

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