湘南PEOPLE VOL.21 小宮一葉さん
2014.10.06
どんなに若くても、人生のターニングポイントのようなものは、何度かやってくることがあります。10歳のとき湘南に引っ越してきたという小宮一葉さんは、その折々、この街の様々なものに助けられたといいます。11月には新作映画が公開され、女優としてまた一歩前に進んだ彼女が、これまでに選んできたこと、湘南の海に癒されたことなどをじっくり語っていただきました。
― もともとはピアノの道を志しておられたとか。
小宮 3歳のときからピアノを習い始めて、弾くのは好きでしたね。小学一年のときに先生が代わって、そのあたりから急に上達して、なんとなく親からも「音大に行ったら」という感じになって「そうしよう」と。気づいたらピアノを弾く生活になっていました。
でも私は飽きっぽいところがあって、指の練習曲とか大嫌いで、バッハから入りました。先生はそういう私を見て、ロシアの作曲家が子ども向けに作った曲などを弾かせてくれました。
本を読むのも大好きだったんで、片手でピアノを弾いて片手で本を読んでいたら、母親にバレたり(笑)。
小学生のときから作曲も習っていて「作曲、向いていると思うよ」と言われたんですが、私は意地っ張りであえて自分にとって苦しい道を選んでしまうようなところがあって、大学は東京音大のピアノ科に進みました。
小宮 3歳のときからピアノを習い始めて、弾くのは好きでしたね。小学一年のときに先生が代わって、そのあたりから急に上達して、なんとなく親からも「音大に行ったら」という感じになって「そうしよう」と。気づいたらピアノを弾く生活になっていました。
でも私は飽きっぽいところがあって、指の練習曲とか大嫌いで、バッハから入りました。先生はそういう私を見て、ロシアの作曲家が子ども向けに作った曲などを弾かせてくれました。
本を読むのも大好きだったんで、片手でピアノを弾いて片手で本を読んでいたら、母親にバレたり(笑)。
小学生のときから作曲も習っていて「作曲、向いていると思うよ」と言われたんですが、私は意地っ張りであえて自分にとって苦しい道を選んでしまうようなところがあって、大学は東京音大のピアノ科に進みました。
― 音大に入ってみて、しばらくはピアニストになろうと思っていたんですか。
小宮 入ってみたら、そんな雰囲気じゃなかったんです。ピアニストになる人はそこからまた海外に留学したりするんですね。私は友達もできなくて、遅れてきた反抗期って感じで、映画館に行ったり、図書館で『キネマ旬報』を見たりしていました。
― お芝居に興味はあったんですね。
小宮 はい。マリア・カラスのオペラの映像とか、いろいろ観ていましたし。大学3年生の実技試験の後に身体を壊して、1年間、学校に行けなくなったので、リハビリのように映画の学校に通うことにしました。
そこのスタッフに、今泉力哉監督がいて「映画に出てみない?」と誘ってもらったんです。親との約束で音大に復学して卒業もしましたが、その後はちょっとぼやぼやしていました。
小宮 入ってみたら、そんな雰囲気じゃなかったんです。ピアニストになる人はそこからまた海外に留学したりするんですね。私は友達もできなくて、遅れてきた反抗期って感じで、映画館に行ったり、図書館で『キネマ旬報』を見たりしていました。
― お芝居に興味はあったんですね。
小宮 はい。マリア・カラスのオペラの映像とか、いろいろ観ていましたし。大学3年生の実技試験の後に身体を壊して、1年間、学校に行けなくなったので、リハビリのように映画の学校に通うことにしました。
そこのスタッフに、今泉力哉監督がいて「映画に出てみない?」と誘ってもらったんです。親との約束で音大に復学して卒業もしましたが、その後はちょっとぼやぼやしていました。
― そのぼやぼやしていたのが、やる気になったきっかけはあったんですか。
小宮 3.11の震災で、母方の祖母が福島で被災したんです。原発の近くだったので住めなくなって、母も故郷を失った。ぼやぼやしてる場合じゃない、と思いました。小さい頃から、私は表現をしたかったんだ、と思い至ったんです。ちょうど短編映画の主役を決めるワークショップがあって、それに参加して『パーティー』という映画で主演をすることになりました。
― そのあたりからどんどん映画で声がかかるようになっていくんですね。
小宮 そうしたら今泉監督が「僕もこういう恋愛群像劇をやるよ」と。それが『こっぴどい猫』でした。そのとき、共演したモト冬樹さんの事務所のマネージャーの方が「事務所がないならうちに来たら」と誘ってくれたんです。
小宮 3.11の震災で、母方の祖母が福島で被災したんです。原発の近くだったので住めなくなって、母も故郷を失った。ぼやぼやしてる場合じゃない、と思いました。小さい頃から、私は表現をしたかったんだ、と思い至ったんです。ちょうど短編映画の主役を決めるワークショップがあって、それに参加して『パーティー』という映画で主演をすることになりました。
― そのあたりからどんどん映画で声がかかるようになっていくんですね。
小宮 そうしたら今泉監督が「僕もこういう恋愛群像劇をやるよ」と。それが『こっぴどい猫』でした。そのとき、共演したモト冬樹さんの事務所のマネージャーの方が「事務所がないならうちに来たら」と誘ってくれたんです。
― ご両親は女優になることに賛成だったのですか。ピアノで音大に行くには、家族ぐるみで大変だとよく聞きますが。
小宮 そうですね。激しくぶつかったこともありますね。でも『こっぴどい猫』に出てから、母親は応援してくれるようになりました。父親は「ピアノも弾いたら」と言いますが。
― ピアノはもう弾かないのですか。とてもきれいな声をしていらして、歌をうたったりはされているようですが。
小宮 この間、千葉の倉庫街にある、プロのミュージシャンや他にも様々な人が集まるスタジオでセッションがあって、初めて参加してきました。試しにコーラスを入れたり、ピアノも弾かせてもらいました。また音楽も楽しいな、と思い始めています。
小宮 そうですね。激しくぶつかったこともありますね。でも『こっぴどい猫』に出てから、母親は応援してくれるようになりました。父親は「ピアノも弾いたら」と言いますが。
― ピアノはもう弾かないのですか。とてもきれいな声をしていらして、歌をうたったりはされているようですが。
小宮 この間、千葉の倉庫街にある、プロのミュージシャンや他にも様々な人が集まるスタジオでセッションがあって、初めて参加してきました。試しにコーラスを入れたり、ピアノも弾かせてもらいました。また音楽も楽しいな、と思い始めています。
― 新しい映画も公開されますね。
小宮 11月末に『 ひ・き・こ 降臨 』という、サスペンス・ホラーのような映画が公開されます。ぜひ観ていだたきたいです。
小宮 11月末に『 ひ・き・こ 降臨 』という、サスペンス・ホラーのような映画が公開されます。ぜひ観ていだたきたいです。
― 今もずっと湘南にお住まいですか。
小宮 今は都内と半々くらいです。以前一度、都内に拠点を移したこともあったのですが、寂しくて週末だけは戻って来ていました。こっちは空気もきれいで、浄化される気がします。人もぶつかって来たりしないし(笑)。
悩んだときは、1人で海に行ったりするんです。たまに話しかけて来たりする人もいるけど「1人になりたくて来たんです」って言えば「あ、そっか」って、いなくなってくれます。
― 最近、一番悩んだのはいつ頃ですか。
小宮 去年の9月頃ですね。「このまま続けててもいいのかなあ」って。それから地元の方の紹介で、湘南でいろんな人と知り合ったり、美味しくご飯を食べたり。そういう基本的な生活が楽しくなってくると、またまた仕事もうまく行き出したんです。湘南という土地と人に助けられたんだと思います。自分をいい状態にできた。自分の中にいい風を吹かせられることができたんです。
小宮 今は都内と半々くらいです。以前一度、都内に拠点を移したこともあったのですが、寂しくて週末だけは戻って来ていました。こっちは空気もきれいで、浄化される気がします。人もぶつかって来たりしないし(笑)。
悩んだときは、1人で海に行ったりするんです。たまに話しかけて来たりする人もいるけど「1人になりたくて来たんです」って言えば「あ、そっか」って、いなくなってくれます。
― 最近、一番悩んだのはいつ頃ですか。
小宮 去年の9月頃ですね。「このまま続けててもいいのかなあ」って。それから地元の方の紹介で、湘南でいろんな人と知り合ったり、美味しくご飯を食べたり。そういう基本的な生活が楽しくなってくると、またまた仕事もうまく行き出したんです。湘南という土地と人に助けられたんだと思います。自分をいい状態にできた。自分の中にいい風を吹かせられることができたんです。
― これからどんなふうに生きていきたいですか。
小宮 元気にいろんな仕事をして、いろんな人に出会っていきたいです。
自分の取り戻し方がわかったというか、もちろん湘南に助けられたけど、それはどこで暮らしていても同じなのかもしれません。人と話す、ちょっとしたことで自分は変われると、もうわかったから。
― 今、とってもいい感じですね。いろんな人を演じてくださいね。
小宮 元気にいろんな仕事をして、いろんな人に出会っていきたいです。
自分の取り戻し方がわかったというか、もちろん湘南に助けられたけど、それはどこで暮らしていても同じなのかもしれません。人と話す、ちょっとしたことで自分は変われると、もうわかったから。
― 今、とってもいい感じですね。いろんな人を演じてくださいね。
出演作品公開情報
「ひ・き・こ 降臨」
監督:吉川久岳 脚本:宮崎大祐 出演: 秋月三佳、小宮一葉、サイボーグかおり 他
シネ・リーブル池袋にて11/28-12/4のレイトショー公開決定
「夜だから」
11/8から新宿バルト9 他全国順次公開予定
監督:吉川久岳 脚本:宮崎大祐 出演: 秋月三佳、小宮一葉、サイボーグかおり 他
シネ・リーブル池袋にて11/28-12/4のレイトショー公開決定
「夜だから」
11/8から新宿バルト9 他全国順次公開予定
小宮一葉 PROFILE
1986年12月27日生まれ / 161cm / A型
小宮一葉
出演作品
2009年「最低」 今泉力哉監督
2011年「Party」片岡翔監督
2012年「マカロニイースタン」ヒロイン 吉野耕平監督
2012年「こっぴどい猫」 今泉力哉監督
2013年「サヨナラ人魚」主演 加藤綾佳監督
2014年「フタリデツクル」ヒロイン 佐々木友紀監督
他
舞台
2012年 オーストラ・マコンドー「ロンググッドバイ」主演 原作・萩原朔太郎「猫町」演出・倉本朋幸
2013年 マームとジプシー 「cocoon」原作・今日マチ子 音楽・原田郁子 作・演出・藤田貴大
他
小宮一葉
出演作品
2009年「最低」 今泉力哉監督
2011年「Party」片岡翔監督
2012年「マカロニイースタン」ヒロイン 吉野耕平監督
2012年「こっぴどい猫」 今泉力哉監督
2013年「サヨナラ人魚」主演 加藤綾佳監督
2014年「フタリデツクル」ヒロイン 佐々木友紀監督
他
舞台
2012年 オーストラ・マコンドー「ロンググッドバイ」主演 原作・萩原朔太郎「猫町」演出・倉本朋幸
2013年 マームとジプシー 「cocoon」原作・今日マチ子 音楽・原田郁子 作・演出・藤田貴大
他