湘南PEOPLE VOL.2 石田ひかりさん 

「いつかサーフィン・デビューして、海の側から鎌倉の町を眺めてみたいんです」

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女優として、2人の娘さんの母親として、変わらぬ愛らしさを保ちつつ輝いている石田ひかりさん。今春、家族そろって鎌倉に移り住んだ理由とその素敵な暮らしについて、BRISAだけに語っていただきました。撮影は石田さんのたっての希望で、風そよぐ竹の庭が美しい報国寺で行われました。
― 鎌倉に移り住まれてどのくらい経つのですか。

ishida_02.jpg石田 鎌倉にはまだ今年の3月からです。
それまでに18〜19歳の頃、車の免許をとってすぐによく遊びに来ていました。ドライブするには2時間くらいでこられるし、海もあって、本当に素敵な場所ですし。それに関東に住む人間にとって「鎌倉に住む」というのはある種の憧れがありますよね。
でも、老後かな、と思ってはいました。
思いきって引っ越してきたのは、子育てのことを考えたからです。

― こちらに来られる前は、神戸にいらっしゃったこともありましたね。

石田 夫の仕事の関係で、西宮市の夙川に4年住んで、その後、東京に5年住みました。夙川というところは地名にはないですが「神戸」という言葉がとてもふさわしい場所で、適度に自然があって、とてもゆるやかな時間が流れている場所なんです。子育てをするにはとてもいい場所でした。
― その神戸・夙川と東京都内では、やはり環境は違うでしょうね。

ishida_03.jpg石田 東京に戻ってきて、子どもを遊ばせる場所が少ないことに気づいたんです。
2人の娘たちには自然というものを日常的に感じていてもらいたいと考えていました。主人も私も都会っ子ですから、都会に暮らすことには不自由もないし、違和感もありません。
でも夙川から東京都内のど真ん中へやってくると、娘たちはなんだか自由に遊べない、窮屈な感じがあるのではないかと感じました。

― 鎌倉には海も山もあります。

石田 昨年の秋に、家族で鎌倉に遊びに来てみました。11月だったのですが、比較的暖かい日で、子どもたちはどんどん海に足をつけてどろんこになって大騒ぎしていました。本当に楽しかったんですよね。それで「もしかしたら住めるかも」と思いました。
ちょうどこの春、上の娘が小学校に入る節目だったし、下の娘は転園で少し心配しましたが、思いきってこちらへ引っ越したんです。
― 引っ越してみて、いかがでしたか。

ishida_04.jpg石田 最高です!まず、人がいい。今いるあたりは海辺ですが、防犯意識からか「人に会ったら挨拶をしよう」というスローガンがあるのです。見知らぬ子どもたちも私に「こんにちは!」と声をかけてくれる。海に近いところに共に住んでいるという意識も人と人の距離を近くするのかもしれませんね。

― 夏は満喫されましたか?

石田 七里ガ浜のお祭りが楽しかったですね。ママたちだけじゃなくて、パパたちのフラダンスが勇壮で楽しかった。七里はハワイの雰囲気があるような気がします。波が高くて泳げないけど。波っていいですよね。波の浄化作用は、日々見ているだけでも生まれ変われるような感じがある。壁が立ち上がってくるような波のエネルギーを感じることもあります。
― 食べ物にもとても気をつかってらっしゃる石田さんとしては、鎌倉の食にも満足されているのでは。

ishida_05.jpg石田 食材の鮮度がいいんですよね。お魚も野菜も「朝とれました」というのを食べられる。鎌倉のレンバイで朝7時半に買うトマトは最高ですよ。ルッコラなんてあまりの味の濃さに「小松菜ですか?」って聞いちゃったくらいです(笑)。
オリーブオイルとレモンと塩で食べました。
連休前の筍も美味しかったですね。
私の母も子どもの頃からなるべく添加物をとらないようにと気をつけてくれたので、
私も子どもたちにはそうありたいと思っているんです。

― これから秋はどんなふうに楽しみましょうか。

石田 今日の報国寺も素敵でしたが、せっかくここにいるのだから、もっとお寺巡りはしてみたいですね。季節の花を見に成就院だけは行ったんですが。

― まだまだ楽しいことがたくさんありそうですね。

石田 そうですね。子どもたちのおかげで主人も私もここに来られた。まったく違う人生を始められたような気がしています。
いつかサーフィン・デビューして海の側から鎌倉の町を眺めてみたいですね。

お気に入りの場所

江ノ電の鎌倉高校前の駅で降りて、右のほうへずーっと坂道を上っていくと、急に海が開けて見える場所があるんです。右手に江ノ島が見えます。その海を見ると、ああ、本当にここに住んでよかったなあと思います。
撮影:初沢亜利
ヘアメイク:松本直子
インタビュー構成:森 綾
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