湘南PEOPLE VOL.23 EPOさん

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葉山に長らく暮らし、今は沖縄と葉山を行ったり来たりする生活を送っているシンガー・ソングライターのEPOさん。35周年のアニバーサリーで9月16日に発売されるアルバム『愛を〜LOVE IS ON』は、世代を超えてやさしい気持ちになれるヒーリング・ポップス。風が吹き抜けるような心地よさは、その元気な語り口からも伝わってきます。
― 湘南にはいつからお住まいなのですか?

EPO 24歳のときからですね。最初は逗子マリーナに3年くらい。それから一色海岸の1軒屋に2003年までいたのかな。そこから今の葉山のうちへ。

― こちらに住まわれたきっかけはなんだったのですか。

EPO いろんな事情が重なったんですけどね。長く付き合った人と別れたというのが大きかったかな。その人とのコンテナのなかで生きていたようなところがあったから、そこから一人になって、ぽっかり空洞ができちゃった。それを埋めて、早く自分のソサエティーを作って自立しなくてはと思ったんです。当時、免許のない私はふらっと横須賀線に乗って、バスに乗って、海岸を散歩していたら、なんだか気分が上がってきたんですよ。そういえば海のそばで暮らすのは子どもの頃からの夢だった。ここに住んだらどんなにいい気持ちかなあ、って思って。
 それで、すぐに住むことにしたんです。東京と空気が違う自然のなかで、心もからだもリセットできると思ったんですね。

― 「オレたちひょうきん族」(フジテレビ系)の主題歌にもなった『土曜の夜はパラダイス』や、『う・ふ・ふ』など、誰もが知っている大ヒット曲を連発されていた頃で、ずいぶんお忙しかったんだろうなあとお察しします。

EPO 私生活も仕事も全部一緒で、旅行に行く時間もなくて。ヒットを出して、みんなに喜ばれるためだけに私は生きていくんだろうか、って、少し疑問を感じていたんです。ありのままの私は常に否定された。
 もちろん、その恋人は私にいろんなことを教えてくれたけど、彼といると、私は常に何も知らないダメ人間のまま。自分から湧き出てくるような音楽は評価されず、お蔵入りになることが多かった。
 私には自分を立て直す何かが必要だったんです。自分のエネルギーを自分で承認したい。私の一番の理解者は自分自身なんだということを思い出しました。
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― そういう強い気持ちが湧いたのは初めてだったのですか。
 
EPO そうですね。親、きょうだい、先生、レコード会社の人たち…。正直な自分の感情は、常に自分が本当はどうしたいのかを教えてくれました。だけどそれは否定されがちでした。だから私は自分の直感を疑ってしまうようになっていました。でも、海の近くに住んで、自分の感情の感覚を信じることで望ましい現実を引き寄せるという成功体験を少しずつ積み重ねて、今の私ができ上がった気がしています。自然に生きている今が楽です。自分が自分になると、いい人たちに出会えるし。

― 今回のアルバム『愛を〜LOVE IS ON』は、今のEPOさんのすごくいい感じが伝わってきます。何より驚いたのは、デビュー当時よりさらに美しく艶っぽくなっている「声」です。どうやってキープしておられるのですか。

EPO 運動はしていますね。自分がどう「居る」か、という意識は常にもっていて、地面に足をついてしっかり呼吸できるようにと思っています。沖縄では、夫と二人、17時くらいまでみっちり仕事をして、1、2時間海で泳いで、近くの温泉で塩を落として、晩ごはん。お肉も魚もしっかり食べます。海に入らないときは、ジムに行っていますね。
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― その幸せな感じから久しぶりのポップアルバムが生まれてきたんですね。
 
EPO 一度ポップスというフィールドから出て、ヒーリングミュージックや、アートワークをして。『AQUA NOME』を出したのが40歳のときかな。そこに満足したら、ポップスをまたやりたくなった。20代は抵抗もしたけど「今は余裕でヒット曲も作りますよ」!(笑)


― タイトル・チューンでもある「愛を」は一人ミュージカルを見ているような、楽しい曲ですね。
 
EPO 夫は役者で、沖縄の役者さんたちと芝居やミュージカルをやったりしているんです。その舞台用に作った曲なんですよ。


― なるほど。レスリー・キーさんが撮られたというPVやジャケット雰囲気があっていてぴったりですね。
 
EPO レスリーのことは共通の知り合いがいて、彼が学生の頃から知っていたんですよ。8年位前に、カメラマンになったというのは聴いていました。「一度セッションしましょう」と言われていてなかなか叶わず、今回、お願いしてみたら、すごい活躍している人になっていて驚きましたね。
― すべてがいい方向に流れていくんですね。曲の歌詞には、すごくリアリティに訴える言葉もあるし、まさに日常の自分を元気にしてくれる曲ばかりです。
1曲目の『もう一度恋をしてみようかな』は、うんうん、とうなずきながら聴いてしまいました(笑)。

 
EPO いろんな理由で伴侶を失った人は世の中にはいっぱいいます。震災のときも、たくさん、悲しい話を聞きました。無理をする必要はないけれど、時が来たら「誰かといっしょに居たいなあ」っていう気持ちっていいな、大事にしてほしいなと思って。ふたりじゃないとできないことってあるものね。
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― タイトルの「愛を」という言葉にはどんな思いを込められましたか。
 
EPO どんなにダメな自分でも愛してねと、私はカウンセラーの仕事もしていて、それはもういつも思うことなんです。自分を大切にできなくて鬱になっちゃう人にも会ってるから。
 若いときは、ほかの人と比べてどうか、と気になるし、みんなと同じだと安心するかもしれない。でも、その人らしさを生きたほうが絶対に楽しい。自分のなかから湧き出てくるエッセンスを楽しんだもの勝ちなんですよ。
 「本当はね」という曲に書いた歌詞は、ずばり、私のことです。

― どんな歌詞なのかは、ぜひアルバムを買ってみなさんに聴いていただきたいですね。今日はありがとうございました。


(撮影・斉藤有美、インタビュー・文 森 綾)
5.jpg9月16日発売!
Newアルバム『愛を〜LOVE IS ON〜』
XQGR-1003
税込価格:3,240円












LIVE スケジュール
2015年10月2日(金)
EPO New Album Premium Concert「愛を〜LOVE IS ON
会場:品川教会 グローリアチャペル
開場:18:30 開演19:00 料金:7,000円
2015年12月19日(土)
EPO AQUA NOME 2015
会場:原宿クエストホール
開場:16:30 開演:17:00 料金:6,500円
チケット購入
epoオフィシャルサイト

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