湘南PEOPLE VOL.24 有坂美香さん

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Jazztronikのボーカル、『機動戦士ガンダム』のテーマソング、ファミリークワイヤー The Sunshowersのディレクター、ボイストレーナー、そして「シンガー、有坂美香」としてのメイン・ステージ。様々な場面に独自の表現でいきいきと歌い続ける本物のシンガー、有坂美香さん。鎌倉生まれの彼女は最近、また鎌倉に戻ってきました。3月30日にモーションブルーヨコハマで3年ぶりの「有坂美香」ライブを控え、今あふれる思いを語っていただきます。
―お生まれは鎌倉なんですね。

有坂 15歳まで由比ヶ浜で育ちました。海の近くで、小学校と中学校は鶴岡八幡宮を通って通いました。春になると桜並木できれいだったなあ。今思うと、とても恵まれた環境だったと思います。


3.jpg高校のときに渡米され、バークリー音楽大学の奨学生になっていらっしゃいますね。

有坂 渡米したのは1990年ですね。高校生活を言葉と文化の違いの中満喫しました。カリフォルニアは15歳で仮免許、16歳で自動車免許を取れますから、高校生のときは運転していました。かなり危なっかしい運転でしたね。高校卒業と共にバークリーへの進学を決めました。

日本人のシンガーで、当時バークリーというのは珍しかったのではないですか。

有坂 はい。今はたくさんいらっしゃいますけどね。在学したのは1995年〜98年。バークリーは21歳まで寮に入らなければならなかったので、その歳になるまでカリフォルニアの短大でショークワイヤーやミュージカルなどを勉強しバークリーに編入したんです。ジャズ、ポップス、ゴスペル等 バークリーで学んだことは非常に大きかったですね。
2.jpg今、いろんな場面で歌っていらっしゃることは、そこに原点があるのでしょうか。いろんなジャンルを歌うことをどのように捉えていらっしゃいますか。

有坂 歌うことが大好きで「一生歌っていくにはどうしたらいいか」をずっと考えてきました。どんなジャンルや場面にいても、全部自分だと思っています。もっと言えば、私にとってジャンルって本当はないんですよ。ロックであろうが、ジャズであろうが、有坂美香の歌で。リズミックでソウルフルな歌を要求されることが多いけれど、私はバラードを歌うのも好きです。
 メインで歌うときのエネルギーや脳の動きは表現者としてのもの。バックコーラスの仕事はメインに添えるものだから、私なりの色を添えます。そのときは楽器であるかのような技術者のマインドです。同じ歌でもどちらも技術やテクニックがまるで違って奥深いですね。3月5日に大田区民ホール アプリコ大ホールで日本のラテン界のマエストロ、森村献さんのステージでラテンの曲を歌わせてもらいます。
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もうひとつ、指導者としての顔もありますね。

有坂 教えることもライフワークですね。「歌うことに救われた自分」がいたので、それが他の人にも起こるように歌うことの楽しさを広めていけたらと思うんです。教えることが向いているのは親族に大学教授が多くいて、そういう遺伝子があるのかも。以前、ボイストレーナーをしている先輩が「生徒ががんばってオーディションに受かったり、CD出したりしたら自分のこと以上にうれしいよ」と言われたことがあって、最近はそれを実感しますね。

ファミリークワイヤーThe Sunshowersもやっておられます。

有坂 2010年にファミリーをキーワードにした The Sunshowersという子供と大人が一緒に歌うグループを結成しました。 東北大震災の後「東北サンシャワーズ」も結成し半年に渡り現地の皆さんにワークショップをして、楽天ゴールデンイーグルス等の試合で 国家斉唱を 一緒に歌うことができました。これらの活動はライフワークにしていきたいです。今は港区の自治体と協力して、第七回港区文化芸術フェスティバルに出演するゴスペルグループの指導にもあたっています。
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そしていよいよ、3月30日にはご自身の久しぶりのソロライブがあるんですね。

有坂 3月30日、モーションブルーヨコハマです! ここ数年ギタリストの鳥山雄司さん率いるMiKa Beyond Jazzでのライブはしていたのですが、自分名義のライブは3年ぶりなので、本当に楽しみです。アコースティックでソウル、ジャズやオリジナルなどを歌います。日本が世界に誇る大好きなパーカッションの大儀見元さん、ピアノはHEXでも世界的に活躍されている伊藤志宏さん、ベースはJazztronikでもご一緒している藤谷一郎さん、素敵なコーラスも2人入り、贅沢なメンバーでの演奏です。ぜひ遊びにいらしてください!


最近、また10年ぶりに東京から鎌倉に戻ってこられたと伺いました。こちらで暮らす良さとはなんでしょう。

有坂 空気感ですね。ここで暮らしている人たちは何が大事かを知っていて、それを力が抜けたいい感じで守っている気がするんです。そして人と人が近い。どこの家の子どもでも、みんなで育てている感じもあります。知らない人と人も目があえば挨拶をする。それぞれ鎌倉らしい暮らし方、東京らしい暮らし方があるんだと思います。私はずっと鎌倉にいたら甘えちゃうから、いったん海外や東京に出て、また帰ってきて、というのがよかったんだと思います。ここに戻るところがあるから、またいろんなところへ行ってがんばれます。

まずは3月30日の横浜のライブですね。楽しみにしています。
(撮影 斉藤有美、インタビュー&文 森 綾)
3月5日(土)
森村献スペシャル with ストリングス @ キューバンファンタジー en Vivo  
大田区民ホール・アプリコ大ホール
ライブ情報

3月30日(水)
有坂美香 Special Acoustic Live 〜Mika Arisaka Beyond Spring〜
Motion Blue Yokohama
有坂美香 Special Acoustic Live
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