白鷺池を見下ろす、哲学ある門前の懐石
北鎌倉駅を降り立って左手、緑に包まれた白鷺池を見下ろす2階にある本格懐石の店。店主は茶懐石文化の担い手と言われる京都の「辻留」で修行を積んだ。数寄屋造りの名工が手掛けたという店内には、つつましやかな茶花が飾られ、わびさびの世界に浸ることができる。 伝統技法により心を込めて調理され、美しい器に盛られた四季折々の旬の素材をいただくのは、まさに至福のひととき。先付は、6月は青梅の甘煮、7月は魚素麺、8月はいちじくの胡麻かけ、秋は柿、梨、マスカットの白和えに。ただし、どれも素材がもっとも美味しくなる時のみの登場。年によっては時期が短くなることもあるという。最後の白いご飯とお漬物をいただいた後、心地よい満腹感がおとずれる。円覚寺の門前でいただくせいか、禅の精進料理に通じる哲学のようなものを感じる。茶道の歴史に育まれた本格的な懐石料理をこのような環境でいただけるのは、鎌倉でもこちらのお店だけだろう。
撮影:青木加代子
住所 | 鎌倉市山ノ内501-2階 |
営業時間 | 11:30〜20:00 |
定休日 | 月 |
電話番号 | 0467・23・6232 |
ホームページ | www.kitakamakura-en.com |