有元くるみのシチリアランチ

葉山の丘の上にあるキルトガーデンで開催されたランチ＆スウィーツの会。この日のお料理は、食と旅をテーマに活動する料理家の有元くるみさんのシチリアランチ。

くるみさんの創り出すお料理は、どこの国の何料理とは限定できない多種多様な味が融合しています。一つのお料理の中に幾つもの物語が存在していて、それはモロッコの迷路のような路地裏だったり、太陽が降り注ぐイタリアの島だったり、インドのスパイスマーケットだったりと、様々な情景が目の前に広がります。今まで旅で訪れた土地や香りが集結している、くるみさんの魔法によって現れる作品そのものです。

この日のランチはシチリアがテーマ。
メニューは下記。
◎林檎とグリーン檸檬のサラダ
◎ハーブパスタ
◎サツマイモと椎茸の塩レモン蒸し

林檎とグリーン檸檬のサラダは、あっさりさっぱりして色合いも鮮やか。家庭だと細かく刻んでしまいがちなフルーツですが、この大きさのスライスを入れると見た目もダイナミックで美しいです。

ハーブパスタは見た目もかわいく、味付けはオリーブオイル、塩、胡椒とさっぱりしています。
パクチーなどのハーブ類が美味しい。

メインは、シチリア料理である”トンノ・ムットナート”。メカジキとホタルイカをトマトソースでじっくり煮込んだもの。ミントとパクチー、シナモン、ケーパー、レーズンと共に煮込んでいます。魚とレーズン？シナモン？どんな味なのかと思いますが、絶妙なスパイスバランスがトマトソースとあいまって後を引くような味。多めにいれたミントがさっぱり効果を生み出しています。

サツマイモと椎茸の塩レモン蒸しは、甘さと塩加減が程よくおさまってます。これも幾つかの国や土地が交差したような味に。

席についてからくるみさんが各テーブルに回り仕上げにパクチーと食用花の花びらをパラパラっとかけて彩りを与えてくれます。お料理に魔法をかける料理の妖精のようなくるみさんの様子に各テーブルでワーっと歓声があがります。

旅に訪れたようなような気持ちにさせてくれる幸せなランチタイム。次回は志津野倫子さんのスウィーツをご紹介します。

（撮影・斉藤有美、文・BRISA編集部）