誰にも教えたくない、海辺にあるとっておきのカフェ

逗子駅から海へと続く、ながい道。間もなく海が見える!という一歩手前の場所に「Umibe cafe」はあります。逗子の町並みに溶け込むような佇まいのお店は、派手さはなく、特別な宣伝もなし。けれども一目で「素敵なカフェだな」と誰もが思う、そんなカフェです。

自然光溢れる店内は、白い壁に木製の装飾や家具がなんとも美しく映え、それだけでこのお店のオーナーのセンスを感じられます。それもそのはず。「Umibe cafe」のオーナーである大澤房之さんは、長年雑誌の編集に携わっていらっしゃったという経歴の持ち主。良いものをセレクトする目利きと、長年培ってきた編集力ゆえ、このような何とも居心地の良いカフェが誕生したのでしょう。
店内1978820_639401866113851_505464173_n.jpg
個人カフェか?外観2.JPG

“いろんな産地のワインを飲むように、いろんな焙煎所のコーヒーを味わいたい”

「Umibe cafe」では、大澤さんの“いろんな産地のワインを飲むように、いろんな焙煎所のコーヒーを味わいたい”という想いから、鎌倉「カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ」、島根「カフェロッソ」、徳島「アアルトコーヒー」の3カ所の焙煎所から、1ヶ月ごとに豆を仕入れています。大澤さん曰く、“いずれもコーヒーに対して独自の深い哲学を感じさせる焙煎人たち”なのだそうです。

どのコーヒーも、それぞれが味わい深く、作り手の想い、淹れる人の真心が伝わってくる極上の一杯。月に一度のペースで飲み比べてみるのがおススメです。
スイーツ.jpg

“本をじっくりと読める雰囲気をつくりたい”

「Umibe cafe」を訪れるたびに、つい長居してしまうのはなぜだろうと考えたところ、やはり抜群の居心地の良さがその大きな理由のひとつだと気付きました。それもそのはず、店内の家具や調度品はどれもこだわりの逸品。椅子は、徳島の宮崎椅子製作所と高松の桜製作所にオーダーしたもので、長時間座っていても疲れないという、座る人のことを考えて作られた椅子。壁に飾られた絵画や小さな置物ひとつひとつにも、強いこだわりと豊かなセンスを感じることができます。

特筆すべきは、本棚に並ぶ数々の絵本や本。どれも良質で、思わず手に取りたくなるようなセレクトです。この辺りも、元編集者である大澤さんのこだわりが感じられます。

「本棚には絵本、料理書、デザイン関連書を置いていて、多くのお客さまがここから本を手にとって席で読んでいます。子連れのお客さまが多いのも、お子さんに絵本を読み聞かせるためのようです。私自身、長時間読書が習慣になっているので、カフェも自然とこうした「読書空間」になっていったのだと思います」

店名のサブタイトルでもある「drinks&books」。まさに美味しいドリンクをいただきながら、本を読むにはピッタリのカフェなのです。また、じっくりと「話す」ことに集中できるので、打ち合わせなどに使われることも多いのだそう。

“様々なカルチャーの発信地として”

人が集まるカフェというのは、単に美味しい食事や飲み物を頂けるだけではなく、カフェ自体が文化の発信源になっている場合が多いのですが、映画の自主上映会や、ライブなどが開催される「Umibe cafe」も、まさにそんな場所ではないでしょうか。

「これまでジャズライブやウクレレ・レッスンの場としても利用されてきましたが、音楽がじっくり聴ける空間でもあるのでしょう。元編集者ですから、そうした様々なカルチャーの発信地としての役割も果たしていきたいところです」
_MG_6329.JPG

湘南の魚を使った極上のカレー、コーヒーによく合うスイーツも

おススメのメニューはコーヒーだけではありません。週替わりの湘南の魚を使った「fish carry」は、丁寧に作られた極上の一品です。

「『fish curry』には、主に三浦半島の長井産の魚を使い、出汁に殻ごとの甘エビからとったビスクとよばれるスープと、ココナッツオイル、低温殺菌牛乳加えています。ベースは牛すじなどの肉をあつかったカレーですが、スパイス10種ほどを自家ブレンドしてからつくっています。土日のみの「fish plate(魚のお皿)」も同様に湘南の魚と鎌倉や三浦野菜を提供しています」


もちろんスイーツも大満足のラインナップです。定番のシフォンケーキやガトーショコラはもちろん、焼きリンゴのバニラアイス添えも今の季節に嬉しいですね。

家族や友だちと日常のなかの特別な時間を過ごすのもよし、ひとりで読書や音楽を楽しむのもよし、そのときどきで多様な楽しみ方のできる「Umibe cafe」。

お気に入りのカフェリストに加えてみてはいかがでしょうか。
魚カレーさわら.jpg

Umibe cafe

営業時間:月-火 11時〜18時/木-日 11時〜18時
     ※秋冬は17時頃閉店
定休日:水曜、第二・第四火曜
アクセス:JR逗子駅、京急新逗子駅より徒歩10分。逗子海岸手前100m
住所:神奈川県逗子市新宿2-2-16
TEL:046-845-9209
(取材・文/ asami)

Food

Follow me!