湘南の酒造りに心を注ぐ、蔵元のおもてなし(2/2)

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大正時代の酒蔵を改装して店舗にしている「蔵元料理 天青」は、素晴らしい佇まいの古民家レストランで、全体的に重厚な雰囲気漂う落ち着いた空間で趣向を凝らした和食の皿がいただけます。目に美味しく、身体にも優しい、季節をふんだんに取り入れた創作和食と共に、地ビールや日本酒を楽しむ時間の贅沢なこと! 

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茂吉さんが「ハレの日の食事におすすめ」と言うのも頷けます。各テーブルがプライベート感を重視したレイアウトで配置されているので、家族での会食や記念日のディナーにぴったり。また、ガラス張りで醸造所の様子を見ることができるパーティールームのデザインもとてもユニーク。「熊澤酒造=湘南の味となってしまうので、そりゃ中途半端なものなど造れません」と言う自慢の日本酒は、美味しいお食事と共にいただくことによって、本領発揮となるわけです。

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 気軽にランチやディナーを楽しみたいなら、「MOKICHI TRATTORIA」へ。こちらは、ビールにぴったりのメニューが揃うカジュアルイタリアン。中庭に面した緑いっぱいのテラス席が気持ちよく、季節の風を感じながら地ビールと一緒にいただく手作りソーセージやピザは最高! パンはもちろんお隣のベーカリー「MOKICHI BAKER & SWEETS」で焼いたもの。

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蔵元なのに、イタリアンやパン屋まで展開するとは!と驚く人も多いようですが、堅実に酒造りから発展させた結果なのだそう。感のいい人なら気付くと思いますが、パスタもピザもパンも同じようにビールの原料となる“麦”を原料としています。つまり、一見商売を手広く広げていそうに見えるのですが、実はまったくその逆。どうしたらもっとたくさんの人に地ビールを飲んでもらえるのだろうか?と考えた末、自然に行き着いた着地点としてのメニュー展開というわけです。小麦を使ってパスタやピザを作り、ビールを造る時に出来た酵母を捨てるのがもったいないので、必然的に始まったのがパン造りと聞くと、納得です。
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茂吉さんにこれからの展開をお聞きすると、現在、その素晴らしさに惚れ込んで思わず買い取ってしまったという文化財的価値のある建物を敷地内に移築中。来春には、「MOKICHI TRATTORIA」が移転する形で新店舗としてオープン予定だそう。どんな素敵な建物のレストランとなるのかは出来上がってのお楽しみですが、敷地内からは途中経過を見ることができるので、近くまで来たらぜひ立ち寄ってみるといいでしょう。

MOKICHIのお店は、他にも茅ケ崎駅の北口に戦前から続いた木造の精麦工場をそのまま店舗として利用した「MOKICHI FOODS GARDEN」があり、こちらでは自慢の石窯焼きナポリピッツアやビールに合う料理の数々がいただけます。併設する「MOKICHI BAKER & SWEETS」はカフェ利用ができるので、美味しいスイーツをいただくのもいいかもしれません。そして、藤沢には湘南ビールを心ゆくまで楽しむための「MOKICHI CRAFT BEER」が。ビールは毎朝蔵元から直送されるというので、ビール好きは行かないわけにはいきませんね。

湘南の美味しいお酒と美味しい食事。目指す先は、これまでもこれからも変わらずシンプルです。湘南という地域に根ざす熊澤酒造の追求は、まだまだ続いていきます。
kumazawa_sake熊澤酒造株式会社 
神奈川県茅ヶ崎市香川7-10-7
TEL:0467-52-6118

蔵元料理 天青
TEL:0467-52-6115
定休日:第3水曜日
(7・8・12月は無休・年末年始はお問い合わせください)
営業時間:平日 11:30?15:00、17:30?22:00

MOKICHI TRATTORIA
TEL:0467-52-6111
定休日:第3火曜日
(7・8・12月は無休・年末年始はお問い合わせください)
営業時間:平日 11:30?15:00、17:30?22:00

MOKICHI BAKER & SWEETS 香川店
TEL:0467-52-6144
定休日:第3火曜日
(7・8・12月は無休・年末年始はお問い合わせください)
営業時間:11:00-17:00

その他の店舗については熊澤酒造のホームページをご覧ください。

取材・撮影/小林繭
写真提供:熊澤酒造

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