逗子の平屋建ての古民家。そしてウッドデッキ。
マキさんが家族で暮らす逗子の家は、築100年近いという古民家。平屋状態のものを探し、ようやく見つけた物件でした。
「単純に平屋建てが好きで探したのですが、台所に立っていて振り返るとみんなの気配があるというのがとても幸せ。大声を出して呼ばなくていいコンパクトな住み心地が気に入っています」。
まず改装したかったのは、ウッド・デッキ。
「ウッド・デッキは必ず作ります。屋根をつければ部屋の延長としても使えますし、太陽の光を浴びながら過ごせます。子どもが小さいので、今回は柵をつけました。長年お付き合いのある棟梁がいて、改装していく楽しさを教えてもらいました」。
ウッドデッキでコーヒーを入れる時間は最高に幸せ。「東京時代から、七輪の火でエスプレッソを淹れたりしていました。深みが全然違うんですよね。
ハーブを通じたコミュニティ
庭には小さな畑があり、ホーリーバジルなどのハーブを栽培しています。
「ハーブの香りが部屋のなかまで入ってきますし、子どもがままごとでふきのとうを摘んでもってきて、季節を知ったり」。
お年寄りのいる病院でアロマテラピストとして働いたこともあるマキさんは、ここ3年、葉山町に働きかけ、ハーブを通じたコミュニティ作りをしてきました。
「最初は介護者のためのアロマテラピー講座を単発でやったりしていたのですが、1回きりじゃなくてみんなで畑をやったほうがいいと思ったんです。介護している人、子育てをしている人が一緒に土を触り、かまどで豚汁を作って食べる。町をひとつの大きな家族と考えようと。だから仕事と地域活動、子育ては切り離せません」。
ウッドデッキは大きな縁側。そこに近所のおじいちゃん、おばあちゃんと、子どもたち、大人たちが憩う。そんな生活をマキさんは実現してきました。
「家はご近所さんありきのもの。子どもたちがすべての世代をつないでくれます。逗子の飾らない、やさしい感じで、下町感いっぱいに子育てしてきました。イタリアに行っても、まずその地域に溶け込みたいなあと思います」。
畑の活動もハーブの活動も、世界を超えてつながる。マキさんの笑顔とハーブの力は、きっと新たな出会いを結んでいくでしょう。
プロフィール
一男一女の母、アロマセラピスト。今春よりイタリアへ。ソーシャルファーミングを食の社会運動Peace Kitchenと繋ぎ、食糧危機に瀕する途上国を支援。10月、12月には東京、名古屋にてイベント開催予定。
5周年を迎えるBRISAの人気コンテンツが1冊の本になりました。
全国の書店より6月11日より販売されます。