4年半かかって完成した耐熱食器
「湘南の暮らしはホームパーティーが不可欠。とにかく子どもができる前から、お店でなく誰かしらのところで集まってご飯を食べる、という習慣でしたから。だから皆さん、お料理上手だし、人をもてなすのに便利なオーブン料理が増えますね」
そんな風に便利な耐熱食器を探していたらビタクラフト・ジャパンから「耐熱陶器のデザインをしてくれませんか」という話が。
「カレーのルーのCMに私が出演した際、使っていた私物のお鍋が同社の物で、それがご縁になりました。4年半かかって、直火にかけられる耐熱食器が完成したところなんです」
ビタクラフトから発売された火にかけられる耐熱陶器は4年半をかけて共同開発した。四日市の工場にも出向き、形も色も細かく指示したという。「ぴかぴかきらきらなものがあふれているので、マットなものがいいなあと思いました」。和食にも合うような色合いが、日本の食卓にぴったり。
そんな風に便利な耐熱食器を探していたらビタクラフト・ジャパンから「耐熱陶器のデザインをしてくれませんか」という話が。
「カレーのルーのCMに私が出演した際、使っていた私物のお鍋が同社の物で、それがご縁になりました。4年半かかって、直火にかけられる耐熱食器が完成したところなんです」
ビタクラフトから発売された火にかけられる耐熱陶器は4年半をかけて共同開発した。四日市の工場にも出向き、形も色も細かく指示したという。「ぴかぴかきらきらなものがあふれているので、マットなものがいいなあと思いました」。和食にも合うような色合いが、日本の食卓にぴったり。
風合いが豊かな器たち
代表的作品である、羽黒とんぼ。
岡崎さんが得意とする、優しい風合いが生きた飽きの来ないマットな質感の器たち。すべての作品が、今生活をしていることと結びついているのです。
「湘南に住んでいる人って、私も含め、東京から移り住んで来た人が多いでしょう。何かきらびやかな刺激を捨てて、こちらで落ち着いた暮らしを選んだ人たちだと思うんです。だから創作とか子育てとか自然と暮らすこととかを、素直に楽しんでいる気がします。ある程度不便さもわかった上での楽しみ方を知っている、というか。そして、食と暮らしにはとても意識が高い。皆さん同じような価値観だから、付き合いやすいですね」
人を妬んだり、羨んだりすることとは無縁。不便さは、助け合う心を生むスパイスにもなっているのかもしれません。
岡崎さんのあたたかい人柄と、暮らしぶり、そして作品の一つ一つが、この湘南の地で、すべてつながっていると思えるのです。
岡崎裕子
1976年東京都生まれ。株式会社イッセイミヤケ広報部勤務の後、茨城県笠間市の陶芸家森田榮一氏に師事。5年の修行を終え2007年横須賀市芦名にて独立。小山登美夫ギャラリー所属。