湘南くらすらいふ第 41 回 西条智子さんの Class Life な暮らし

逗子の高台に居を構えて9年。眺望がよくて電線のない立地を選び、食を大切に生活する西条さんご夫妻。モダンな打ちっ放しの外観とは裏腹に、ぬくもりのある作品に囲まれた豊かな暮らしを楽しまれています。奥様の智子さんはメイクアップアーティスト。モノにも食にも静かな美意識が貫かれています。
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東京の下町から、逗子へ

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もともとは東京の葛飾区柴又という、映画「寅さん」シリーズで有名な町に育った智子さん。結婚してしばらくしてから湘南暮らしが始まりました。

「主人の友達が鎌倉の山の中腹にある洋館のようなところに住んでいたんです。 車で来てみたら意外に近くて、それまで長野に引っ越してしまおうかなという案もあったのですが、こちら方面に興味をもつようになりました。1件、気に入った物件があったのですが、車を買い換えないと私道に入れないね、などと躊躇しているうちに先に他の方に決まってしまいました。そのことで本格的に逗子で探そうという気持ちになったんです」。

海外ロケの多い智子さんは、成田まで1本で行けるという利便性にもひかれたようです。最初に逗子で住んでいたところは、広々とした間取りのお家でした。

北向き斜面が意外によかった理由

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その後、大家さんの都合で引越さざる得なくなり、出合ったのが今の北向き斜面の土地。当時、やや紫外線アレルギーがあった智子さんにとって、その意味でも好都合でした。

「眺望もいいし、電線もない。ここを見つけて歩いていたとき、偶然、近所に住んでいる友達夫婦とも会ったんです。料理好きな彼女がいるならさらにいいわ、 と(笑)」。

そして、9 年前にこの場所に家を建てたのです。

べット2台分のマットレスをソファーに

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リビングとキッチンがひと続きの広々した空間は、ディテールに手のかかったこだわりがあり、あたたかな気配に満ちています。

二人が縦に眠れそうなソファーの土台も、作り付け。「土台だけ作ってもらい、ベット2つ分のマットレスを置いて作りました。友達がそのまま泊まったりできるように。マットレスは汚れたら取り替えたらいいという気持ちで」。

遊びにきた子どもたちも気兼ねなく眠れます。

大好きなハワイのエネルギーをもらえる大きな写真を

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ソファーの上には、智子さんが大好きなハワイのエネルギーを感じる、大きな写真が。

「写真家の横山泰介さんの作品です。葉山のBEACHで横山さんの写真展がひらかれたとき夫婦で訪ねて、一目惚れしてしまいました。度々訪れるハワイの大好きな海辺にそっくりだったので。ヘリンボーンの壁を作る予定だったのですが、サイズもちょうどいいし、こちらにしようかと。枠は古い船の木を使 ったものです。地震で落ちてきたら危ないので、ガラスもアクリルもはめずにそのまま飾っています」。

古いもののドラマチックさが好き

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部屋のそこここにあるのが、センスのいいアンティークのものたち。

「新しいものには興味がないんです。古いものがここに来るまでの物語を想像するのが好き。そこに新しいものにはない、ドラマチックさを感じます。主人はアメリカのミッドセンチュリーのものが好きですが、私は各国でジャンクな感じのものを集めていますね」。

古いものを買ってきたら、感謝を込めてセージをたいて清めてから使うのだとか。

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家具はもらったり、トレードしたり

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家具も簡単に買ったり捨てたりしない流儀。もらったり、トレードしたりすることが多いそうです。

「キッチン収納の扉も、床のモルタルも、主人の作品です」。

カウンターはレモンイエローの大理石。 「義姉の旦那さんが大理石屋さんだったので、ありがたく」。

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「ナチュラル・パレオ」で健やかな食生活

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食にも美意識と健やかな習慣を求めて、智子さんは「ナチュラルパレオ」にいきつきました。

「小麦と砂糖をやめて、なるべく自然の原型のままをいただく食事療法なんです。 始めて5年で不調はなくなりました。お酒も飲んでますし、外食の時は普通に何でもいただいているくらい、ゆるくやっています。カラフルな色を食べるような感覚も私にあっているのかもしれません」。

智子さんの料理は、葉山のBEACH の厨房でランチを作っていたこともあるほどの腕前。今でも月に 1〜2 度、作りにいくことも。

「体温が上がって、更年期知らずです。食は生きることに結びついていますね」。

見た目にも美しく、体にもよく。智子さんの生活はすべてが自然な美につながっているのです。
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撮影 斉藤有美、取材・文 森 綾、コーディネート 森幸映

Life Style

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