鎌倉くらすらいふ 第42回 高橋須賀子さんのClass Lifeな暮らし
2017.03.25
駅にも海にも近い鎌倉の一等地。そんな閑かな住宅地に、昨夏、高橋須賀子さん、剛一さんご夫妻は、思いを込めた一軒家を建てました。世界から集めた家具とデザインのアイデア。料理好きの二人の美しい空間には、週末毎に友達がやってきます。
広々としたリビングダイニングに、大好きなものを集めて
明るく居心地のよいリビング、ダイニング、キッチンのスペースは、全部で40畳。家具のひとつひとつを妥協なく世界中から集めたそう。
「ダイニングのテーブル、椅子、照明はスペインから。他はイタリアや、アメリカですね。イタリアの家具屋さんには自分でオンラインで注文したのですが、到着まで随分待ちました。いつ着くのかしらとハラハラしました」。
いかにもという感じじゃないアンティークが好き
須賀子さんはアンティークのものが好きですが「いかにも」という感じじゃないものを選ぶのだそう。「アンティークらしいこなれ感や温かみはほしいけれど、あまりに傷んだものや、それだけが浮いてしまうのはダメですね」。
パリのシノワズリのような感覚を大事に
たとえば仙台のものだという和箪笥を、食器棚に。須賀子さんが和のものやアジアン・テイストを取り入れるのは、パリのマダムが中国のアンティークなどを取り入れる「シノワズリ」の感覚です。
「なかなか難しいのですが、シノワズリ的な感覚、オリエンタルさを上手に取り入れたいと思っています。お客様たちにはあまり伝わっていなくて(笑)『イタリアの別荘地っぽい』と言われたりしますが」。
キッチンの煉瓦は上海の古い工場
キッチンの壁の素材も、どこかオリエンタルな匂いのする煉瓦が。「上海の古い工場に使ってあったもの。ネットで探しました」。
聞けば、須賀子さんのインテリア探しはけっこうネットが使われているようです。
世界中の美しいものを集める好奇心と感性が素敵。
古伊万里に上品なグラスの組み合わせで抜け感を
「古伊万里の派手派手しさのない、ぬくもりのある色味が好きです。グラスは頂き物でバカラが多いので、数をプラスしていったら自然と統一されました。サンルイのものとかも大好きなのですが」。
アンティークのクロゼットを利用した食器棚に、古伊万里の色味がしっくり合っています。
剛一さんもアンティーク好き
ご主人の剛一さんも、アンティーク好き。1階には、アンティークのポーカー・テーブルを買い、ポーカー・ルームを作ってしまいました。
「ポーカーは結構頭も使うし、面白いゲームです。2年位前に友達に教わり、本を読んで理論を学んだりしました。先日、映画『ゴッドファーザー』を見直していたら、この八角形のテーブルが出てきました。80年位前のアンティークだということで手に入れましたが、あの時代のものなのかもしれませんね」。
二人で料理を楽しみ、散歩を楽しんで
休日のお二人は山へ海へと散歩を楽しみ、また人を招くことを楽しんでいます。
「昨年は、テラスで11月頃までバーベキューをしていました。美味しい食べ物とお酒を切らさないようにたっぷり用意して、くつろいでもらう。お客様と一緒に食べて飲んで楽しむ。それが私たちの自然なおもてなしのスタイルです」。
須賀子さんのつくる和の香りのバラエティ豊かな料理、剛一さんの焼く豪快なお肉の美味しさも評判です。
何よりもお二人の仲の良いやさしい空気が、この広々した空間をほのぼのしたものにしているのです。
撮影:斉藤有美、取材・文:森 綾、コーディネート:森 幸映